表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/968

第94話

木嶋は、待ち合わせ場所に着いた。

階段を上がり、2Fの空いている座席を探していたのだ。

空いていたのは、コーナーサイドだった。

木嶋は、そこに座り、夕刊紙を広げ、

あとから1名来るので、2名で…。ケーキセットで…ケーキは、ショートケーキ。飲み物は、ホットアメリカンコーヒーでお願いします。」店員さんにオーダーをしたのだった。

木嶋は、

「いつものように、時間通りに来ないはず。ゆっくりくつろごう。」夕刊紙に読み更けていた。

はるかが、まともに時間通りに来たことなど皆無かいむであった。

ひどい時は、1時間以上も待たされることも【何度も】あるのだ。

木嶋も、人間である。怒りたいこともある。

「本人の自覚を、うながすより方法がない。」木嶋は、左手に腕時計を見た。

待ち合わせ時間に、まだ猶予ゆうよがある。

先ほど、オーダーしたショートケーキとホットアメリカンコーヒーが、木嶋のテーブルに運ばれてきた。

木嶋は、早速さっそく、コーヒーにミルクと砂糖を一杯いっぱい入れ、スプーンでき混ぜて、一口ひとくち、コーヒーを飲んだ。

夕刊紙を、パラパラめくっていると、クロスワードパズルがあった。

「最近、頭の体操をしていないから、短時間でやるにはいいかな!」チャレンジをしよう。

木嶋は、コートの中にあったボールペンを取り出し、クロスワードパズルを解き始めていた。

コーヒーショップ『Y』にある掛け時計が、午後5時の時報と共にメロディーが、

「ピリ-ン」鳴っている。

はるかからの連絡は、まだない。

ふと、腕時計を覗くと午後5時15分を過ぎていた。

「いつものことながら遅刻か…!」

木嶋は、携帯を取り出し、はるかに電話をした。

「プルー、プルー」呼び出し音が鳴っている。

はるかが、電話に出た。

「もしも〜し、はるかですが…」木嶋に答えたのだ。

「木嶋です。まだ時間が掛かりそうですか?」はるかに聞いたのだ。

はるかは、

「連絡をしなくて申し訳ありません。今、高島屋にいるので、もう少し見たいのですが良いでしょうか?」木嶋に聞いていた。

木嶋も、はるかにそう言われてしまうと弱いのだ。

「いいよ。せめて午後5時30分ぐらいまでには、コーヒーショップ『Y』の2Fコーナーサイドの席に来て下さい!」期待感を込めて、はるかに伝えたのだ。

はるかも、

「分かりました。そのくらいの時間までに行きます。もう少し、お待ち下さい!」木嶋に話して、電話を切ったのだ。

木嶋は、

「いつもながら、こっちから連絡をしないといけないから、嫌になる。」ボヤいているのであった。

「カッ、カッ、カッ」階段を上がってくる靴の音が聞こえてきた。

木嶋が、振り向いた。

はるかでは、なかった。

別人の女性であった。

どうやら、一人で来たみたいであった。

木嶋は、好きな女性のタイプではなかった。

スタイルは、背が高く、濃い栗色で、髪型がロング。化粧も濃かったのだ。今風の女性である。

灰皿を取り、煙草たばこに、火をけて、おいしそうに煙りを出していた。

木嶋の好きなタイプの女性は、知的な女性が好きなのである。

木嶋自身、煙草は吸わず、女性でも、吸う人は苦手であった。

はるかは、煙草を吸わない。魅力な部分は、どこにあるのかと、以前、麻美に聞かれたこともあったが、

【素直な心と瞳に惚れた】いつも、そう答えていたのだ。

再び、階段を、

「カッ、カッ、カッ」靴の音が聞こえてきた。

振り向くと、はるかが来たのであった。

「遅くなりました。」はるかが、木嶋に頭を下げ、席に座ったのだ。

木嶋は、

麒麟きりんのように、首を長くして待ちくたびれました。」はるかに話したのだ。

「それなら、トンカチで頭を叩かないといけませんね!」はるかが、木嶋に伝えたのだ。

木嶋は、

「コブが出来るじゃないの?」はるかに話し、

はるかは、

「プッ…と」笑っていた。

木嶋も、つられて、

「ハハハ」笑ったのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ