第92話
木嶋は、富高さんと別れ、駅の改札口を出た。
「今年も、はるかや麻美さん、玲さんたちと仲良くすることが出来たと言うよりも、現状維持をしただけなのかも知れない!」いつものように、年末恒例で、一年を振り返ったのだ!
「来年は、どうなるのだろう?ドラえもんじゃないが、《タイムマシーン》か《タイムテレビ》が欲しいな!」そう思いに更けていたのだ。
木嶋は、常日頃から、
「昨日起きたことを、変えるのは無理だが、明日を夢見ること、未来に繋げて行くのが大切なことなのだ!」確信をしていた。
自問自答をしているうちに、木嶋の携帯が、
「ピローン、ピローン、ピローン」はるか専用の着信音が鳴っていたのだ。
木嶋は、電話に出たのだ。
「もしもし、木嶋ですが…」
「お疲れ様です。私、はるかで〜す。木嶋さん、今どちらにいますか?」はるかが、木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「今は、駅を降りて家に帰る途中です。」はるかに伝えたのだ。
はるかは、
「今日は、富高さんと一緒に、麻美さんのお店に飲みに行かれたのですよね?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「そうですよ。麻美さんのお店に行きましたよ!」はるかに伝えたのだ。
はるかは、
「麻美さん、私のことで何か聞いてていませんでしたか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「色んなことを聞かれたよ!」
「どんなことを聞いていましたか?」はるかは、木嶋に聞いてきたのだ。
木嶋は、
「はるかさんは、色んな人からプレゼントをもらったりしていて、木嶋君が、一生懸命尽くすだけ【ムダ】だよ。そう言っていたよ。」はるかに、正直に答えていたのだ。
はるかは、
「随分、酷いことを、言っていませんか?木嶋さんは、私のこと、どう思われていますか?」木嶋に、怒った口調で話していたのだ。
木嶋は、
「確かに、麻美さんは、はるかさんのことを、酷く抽象的に言われていますね。はるかさんと仲良くしているのが、気に入らないのではないですか?一種の嫉妬では…!」はるかに話したのだ。
はるかは、
「麻美さんは、その業界で生きている人ですから…私と立場は違います。自分に、振り向いてもらいたいからそう話しているのではないですか?」木嶋に聞いたのだった。
「そうかも知れないね!人それぞれ色んな考え方があるのは仕方ないと思いますよ。自分は、はるかさんと一緒にいると楽しいですよ。」木嶋は、はるかに話したのだ。
「ありがとうございます。木嶋さんに、そう話して戴けると嬉しいし、楽しい時間を過ごしていた方がいいですよ。」はるかは、木嶋に思いを伝えたのだった。
木嶋は、
「ありがとう。はるかさんと今年のうちに、もう一度、会いたいな!と言うより会いたい。空いている日にちはありますか?」はるかに尋ねたのだ。
はるかは、
「チョット、お待ち戴けますか?手帳を取り出しますので…。」電話口から離れて、はるかは、手帳を取り出した。
木嶋は、《期待感を持ちながら》はるかと【会えるのかな】と気持ちが高揚していた。
はるかは、
「今の予定だと…29日なら、クラブ『H』の出勤前なら時間が空いていますね。」木嶋に伝えたのだ。
木嶋は、心の中で、
「ヤッター」と叫びながら、
「その日で良いですよ。」はるかに話したのだった。
はるかは、
「29日、いつもの時間で…待ち合わせ場所は、あとから連絡します。」木嶋に伝えたのだ。
木嶋は、
「了解しました。」はるかとの会話を終えて、電話を切り、家に着いたのだった。