第901話
父親は、
「お母さん、我々(われわれ)、高齢者は、くれぐれも•••注意をしないといけないね!」母親を諭していた。
母親は、
「確かに、お父さんの言う通りだね。」頷いていた。
木嶋は、この会話を聞いて、父親も、母親も、騙される可能性は、《薄い》と感じたのである。
少しして、家の電話が•••
「ピローン、ピローン、ピローン」鳴り出していた。
木嶋は、電話機の《ディスプレイ》で、番号を確認した。
「あっ•••お姉ちゃんからだ。」急いで電話を取った。
「もしもし〜。」
「お姉ちゃんだけど、これから家に帰ります。お父さんと、お母さんは、まだ•••起きているの?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「お父さんも、お母さんも、まだ•••起きているよ。心配しているから、早く、帰って来てね。」お姉ちゃんに話していた。
お姉ちゃんは、
「分かりました。急いで、家に戻ります。」木嶋に答え、電話を切ったのである。
母親が、
「今の電話は、お姉ちゃんかな?」 木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「うん。これから、家に帰って来るよ!」母親に伝えた。
父親は、
「今•••何時になるんだ!」家にある《掛け時計》で時間を確認した。
《時計の針》は、午後8時を回っていた。
父親は、
「お姉ちゃん•••随分と、長い時間、出歩いていたね!」母親に話していた。
母親は、
「お姉ちゃんも、《ストレス》があるから、たまには•••【発散】しないと、身体が参ってしまうよ。」父親に答えていた。
父親も、
「そうだな!会社勤務していると、色んな個性を持った人たちがいるからな!どこかで、【発散】しないと、家族に《八つ当たり》されて、みんなが、可笑しくなってしまうよ!」木嶋に告げたのである。
木嶋は、父親の言っていることは、《正しい》と感じていた。
人は、2人いると•••《派閥》が出来る。
1人で、大丈夫だと言う人もいるが、それは、【精一杯】の《強がり》にしか聞こえない。
世の中は、《強い個性》を持った人がいる。
テレビに出ている人たちは、【スター】である。
その【スター】の人でさえも、何年》も、《下積み》を経験している。
中には、【一旗上げる】と、意気込んでいても、周りの【プレッシャー】に、《押し潰されて》しまうのだ。
果たして•••木嶋は、どうだろう?
いつも、【陸上競技】の《スタートライン》に立つたび•••押し潰されそうな気持ちでいた。
本当は、そうならないことを願いたいのだが、持って生まれた性格が災いをしているのであった。