第900話
母親は、
「いずれは、お父さんか?お母さんが、必要になるね。」木嶋に話していた。
木嶋は、このとき、何年か•••先に、車椅子が、本当に、必要となる日が来るなんて、夢にも思わなかった。
「プルッ、プルー、プルー、プルー」鳴り出していた。
家の電話は、【ナンバーディスプレイ】に対応していて、《登録》している《電話番号》と、《名前》が出るが、《非通知設定》などは、 電話機本体が、《弾》くようにしているのである。 なぜ•••このようにしてあるのか?
平日は、父親と、母親の2人で留守番をしているが、現代世の中は、何があるのかが分からず、一瞬先は、闇である。
良く高齢の方が、【振り込め詐欺】に騙さ(だま)れ、自分の生活費まで入れてしまうのだ。
そんな••• 【振り込め詐欺】に、引っかかる可能性がないとも限らない。
最も•••木嶋の家には、【振り込め詐欺】に合わないと思っていても、《ランダム》で、電話が来たら、冷静な判断をするのが難しい。
そうならない為にも、《非通知設定》や、《電話機本体の電話帳》に登録してある以外は、出ないことになっていた。
《電話機本体》の画面覗くと、《フリーダイヤル》の番号である。
木嶋は、そのまま対応せずに、電話が鳴り終わるのを待っていた。
30秒ぐらいしたら、電話が鳴り止んだ。
父親は、
「何で•••電話に出なかったんだ?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「電話に出なかったのは、《フリーダイヤル》の番号だったからね。」父親に答えていた。
父親は、
「そうだったのか!電話に出ないから、《可笑しいな》と思ったんだ。お姉ちゃんじゃなかっんだ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「お姉ちゃんなら、直ぐに出ないと、怒るでしょう。お母さんも、心配しているからね。」父親に告げた。
母親は、
「お父さんと一緒にいると、良く見かけない番号が出ていて、お母さんは、ついつい電話に出てしまうよ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「お母さん、何でもかんでも•••出ればいい訳ではないよ。そのために、電話帳に登録してあるのだからね!」母親に答えていた。
母親は、
「良くテレビで、【振り込め詐欺】の被害が後(後を)を絶たないが、《細心の注意をしているよ。》」木嶋に話したのである。
木嶋は、
「家に、電話が来たら、むやみやたらに•••出ればいいものでもないから、気をつけてね。」母親に伝えた。
母親は、
「何かのときは、会社に電話しているからね。すると!全員が、次の可能性があると思うよ。」木嶋に同意を求めていた。
木嶋は、
「くれぐれも、【振り込め詐欺】はら、ら似合わないよ。