第893話
かれんさんは、
「最上階から眺めていると、人が、小さく見えますね。【横浜ベイブリッジの夜景】も綺麗ですが、こんなに素敵だと思いませんでした。」木嶋に話していた。
木嶋は、
「自分は、この駅周辺は、いつでも、来れると言う感覚があるので、飲むことはないね。」かれんさんに答えていた。
かれんさんは、
「そうですよね〜。木嶋さんは、会社の【最寄り駅】や、【横浜駅】が主体になってしまいますよね。地元では、同僚の人とかで、飲む機会が多いのですか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「そうだね。どちらかと言うと、会社の先輩や、極稀に、《夜間高校時代》の《クラスメート》たちぐらいだね。」かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「私も、大学の友人たちと飲むのは、【最寄り駅】ですね。一人では、飲むことはしません。お店のお客さんとも、《プライベート》で会うこともないですね。」木嶋に告げた。
木嶋は、
「お店では、あくまでも•••【お客さん】と、【店員さん】の関係しかないよね。自分も、その中の一人だった。それが、いつの間にか、この《スタイル》になったのが、いまだに•••信じられない。」かれんさんに打ち明けた。
かれんさんは、
「私が、一番望んでいたことですよ。」木
嶋に答えていた。
《オーダー》した料理を食べながらの会話は、弾んでいた。
木嶋は、このまま•••時間が止まればいいのにと思っていた。
しかし、時間は•••止まることなく過ぎて行く。
かれんさんが、左腕にしていた腕時計で時間を確認していた。
「木嶋さん、午後8時を回っていますが•••大丈夫ですか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「午後8時を回ったのか!まだまだ、この場所で•••かれんさんと、【語(かた】り合いたい】のですが、明日もあるので、この辺りで引き上げますか?」かれんさんに同意を求めていた。
かれんさんは、
「うん、ここから動きましょう。」木嶋の問いかけに、反応したのであった。
木嶋は、目の前にある釦を押した。
『ピンポン』店内に響いていた。
先ほどの若い女性店員さんが、木嶋たちの元に歩いてきた。
「お待たせしました。ご注文をお伺い致します。」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「すいません。【おあいそ】でお願いします。」若い女性店員さんに話していた。
若い女性店員さんは、
「おあいそ•••ですね。畏まりました。少し、お待ち下さいませ!」木嶋に伝え、その場を離れて行った。
木嶋は•••
【フー】とため息をついたのである。
かれんさんは、
「木嶋さん、ため息をついて•••どうしたのですか?」 木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「疲れたみたい。」かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「今日は、ゆっくり休んだ方がいいですよ!」優しく木嶋に話したのであった。