第888話
木嶋は、来た道を戻って行く。
かれんさんは、
「木嶋さん、先ほど•••話していた【揚げ饅頭】のお店に急ぎましょう!」
いつになく•••積極的に、木嶋へ《シグナル》を出していた。
木嶋は、
「OK。早く•••目的地に向かいましょう。」かれんさんに言葉を返し、右手を握りしめながら、歩き出したのである。
かれんさんは、木嶋の右肩に•••もたれながら歩いていた。
木嶋は、かれんさんの髪を撫でていた。
男性は、《好きな女性》の髪を撫でたくなるのだ。
女性も、《好きな男性》にもたれていたいのである。
かれんさんは、
「木嶋さんと、こうしているのが•••一番いいですね。」木嶋に呟いていた。
木嶋と、かれんさんは、1時間前に通った•••【コンビニ】を通り過ぎた。 木嶋は、
「かれんさん、もう少しで•••【揚げ饅頭】を売っているお店に着きますよ。」かれんさんに話していた。
かれんさんは、
「うん。」と頷きながら•••姿勢を正したのである。
木嶋が、【揚げ饅頭】の店で立ち止まった。
かれんさんは、木嶋の右手を握り締めながら•••
「どれにしようかな•••?」《ショーケース》を覗いていた。
木嶋は、
「かれんさん•••どれを、選びますか?」かれんさんに問いかけていた。
かれんさんは•••
「私は、【揚げ饅頭】の《こしあん》の方でいいですね!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「自分も、かれんさんと同じ•••《こしあん》にしよう。」
「いらっしゃいませ!」威勢が良い声で、若い男性店員さんが、店の前に出てきた。
木嶋は、
「【揚げ饅頭】の《こしあん》を2つ下さい。」若い男性店員さんに話していた。
若い男性店員さんは、
「【揚げ饅頭】の《こしあん》を2つですね!今•••揚げたてを、お渡しします。」木嶋に答えていた。
かれんさんは、
「揚げたてを食べれるなんて•••最高ですね!」笑顔で、木嶋に話していた。
木嶋は、
「揚げたてだから•••先ほどと同じで、舌を火傷しないようにね。」かれんさんに告げた。
かれんさんは、
「OKです。」木嶋に伝えた。
若い男性店員さんは、少し•••汗だくになりながら、【揚げ饅頭】を揚げていた。
『ジュー』と音を立てていた。
「お待たせしました•••【揚げ饅頭】です。」木嶋に手渡した。
木嶋は、
「いくら•••ですか?」若い男性店員さんに尋ねていた。
若い男性店員さんは、
「240円になります。」木嶋に告げた。
木嶋は、Gパンのポケットから•••再び、小銭を取り出し、お金を確認して、若い男性店員さんに渡したのである。
若い男性店員さんは、木嶋から、渡された金額を確認した。
若い男性店員さんは、
「240円、ちょうどですね。ありがとうございました。」木嶋に一礼した。
木嶋は、
「揚げたて•••ありがとうございます。」若い男性店員さんに話し、その場を離れ•••
かれんさんの左手を握りしめて、【川崎大師駅】へ歩いて行ったのであった。