第873話
はるかは、
「あっ、そうなの?いつもは、そんなことを言わないのに、珍しいですね。私に、会いたくない口実を作っているんじゃないの?」木嶋の発言に疑問心を抱いていた。
木嶋は、
「自分が、はるかさんに、会いたくないから、そう、言っていると•••思われているのが、悲しいね!いつもの自分なら、間違いなく【二つ返事】で答えている。ただ、今回は、どうすることも出来ないんだ。」はるかへ猛烈に《アピール》していた。
はるかは、
「分かりました。木嶋さんの言葉を信用します。次は、いつにしましょうかね?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、一瞬•••考えながら、
「来週の水曜日ぐらいで、いいのではないですか?」はるかに話していた。
はるかは、
「来週の水曜日ですか?チョット、お待ち下さい。」
パラパラと、何かをめくっている音が聞こえている。
恐らく、手帳で、《スケジュール》の確認をするために、ページをめくっているのだろう!
人にもよるが、携帯の機能を、目一杯使っている人もいれば、木嶋のように、機能を使い切れない人も、たくさんいる。
また、木嶋、はるかも、手帳を使って、《スケジュール管理》をしていた。
はるかは、
「来週の水曜日で、OKですよ。木嶋さん、《ドタキャン》しないで下さいね!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「はるかさん、今まで•••自分が、《ドタキャン》したことがありますか?余程のことがない限り、いつもの待ち合わせ場所にいますよ。」はるかに告げた。
はるかは、
「了解です。来週の水曜日、いつもの待ち合わせ場所で、お待ちしています。」木嶋に答え、電話を切ったのである。
木嶋は•••
【フー】と息を吐いた。
「何か•••《スッキリ》しないな。はるかに、会いたくないから、口実を作っているんじゃないかと思われているなら、終りが近い証拠かも知れない。ここまで、疑われたのは、初めてだ。」思わず本音が出てしまった。
「早く、かれんさんが、横浜を出ないかな!」かれんさんが来るのを、《待ち遠しい。》
再び、木嶋の携帯が•••
「ピローン」ピローン、ピローン」鳴り出していた。
「今度は、かれんさんかな?」先ほどまで、心の中を包んでいた霧が消えていた。
木嶋は、急いで携帯の画面を覗いた。
間違いなく、かれんさんからである。
「ホッ•••と」胸を撫で下ろしたのであった。
木嶋が電話に出た。
「もしも〜し、木嶋です。」
「木嶋さん、お待たせして申し訳ない。かれんです。今、横浜駅に到着しました。これから、東海道線に乗りますね。降りる駅は、一つ先の駅で、いいのですね?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「そうです。」明るい声で、答えたのであった。