第872話
木嶋は、
「お母さん、会社の同僚が、自分の最寄り駅まで出てくるみたい。少し、会って来てもいいかな?」母親に尋ねていた。
母親は、
「うん、最寄り駅ならいいよ。会社の人が、こちらに出て来るまで、時間が掛かるのだから、横浜駅を出てから、駅まで、歩いていけばいいんじゃないの?」木嶋に《アドバイス》していた。
木嶋は、
「じゃあ、そうしよう。かれんさん、横浜駅を出る直前に、携帯に連絡を下さい。最寄り駅まで、迎えに行きますので•••。」かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「は〜い。分かりました。それで、お願いします。」木嶋に頭を下げ、電話を切ったのである。
父親は、
「会社の同僚が、こちらに来るのか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「こちらに、出て来るみたい。自分は、お姉ちゃんが帰ってくれば、気軽に出かけることが出来るが、夕方にならないと戻らない。同僚に、無理に出てくる必要がないと、話したんだが、無理に断る訳にもいかないからね。」父親に話したのである。
父親は、
「迷惑かけるね。」木嶋に告げた。
母親は、
「最寄り駅なら、家に近いからね。」安心していた。
木嶋は、なぜか?《ウキウキ》しながら、
「はるかが、最寄り駅まで、出向いて来ることはない。かれんさんが、こちらまで来るのは、少し、驚きと、戸惑い感じている。それだけ、積極性があると理解をした方がいいのかな?」一人でボヤいていた。
母親は、
「早く、彼女でも出来ればいいね。」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「そうだね。」母親に言葉を返した。
父親は、
「遅くならないようにしないと、お母さんが、心配するよ!」木嶋に忠告していた。
木嶋は、
「そんなに、長時間も、離れることはないよ。」父親に答えていた。
木嶋の携帯が•••
「ピローン、ピローン、ピローン」鳴り響いている。
「誰だろう?」 携帯の画面を覗いた。
すると、はるかからである。
「もしも〜し、木嶋です。」
「木嶋さん、はるかです。お久しぶり。元気にしていますか?」はるかは、木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「元気ですよ。はるかさんから、電話が来るなんて•••珍しいね!」はるかに伝えた。
はるかは、
「そうですね〜。私から、電話をすることは、ないですね!」苦笑いをしていた。
木嶋は、
「はるかさん、今日は、無理ですよ。」はるかに告げた。
はるかは、
「今日は、ダメなんですね!」
【ハー】と、ため息が漏れていた。
木嶋は、
「はるかさん、どうしたのですか?」はるかに問いかけていた。
はるかは、
「木嶋さんに、会いたいなと思っていたのですが、私が•••話す前に、言われてしまったら、言葉が出ないですよ。」木嶋に話していた。
木嶋は、
「はるかさんの気持ちに応えたいのですが、父親と、母親の面倒を見ないといけないので、申し訳ない。」罪悪感を感じたのであった。