第871話
誰でも、好きな人から連絡がないのは、不安である。
一度、着信履歴を残しているので、長時間、気がつかないのは、《トラブル》に巻き込まれたと考えてもしまっても、不思議ではない。
木嶋は、
「もう一度だけ、電話をしてみよう。」
再度、携帯の着信履歴から、かれんさんの番号を《スクロール》した。
「プルッ、プルー、プルー、」呼び出している。
「まだ、電話に出る雰囲気じゃないのかな?仕方ない•••諦めよう。」木嶋は、電話を切ったのである。
「かれんさん、どうしたのだろう?」妙な胸騒ぎがしていた。
すると•••木嶋の携帯が、
「ピローン、ピローン、ピローン」聞き慣れた着信音が鳴り響いていた。
「これは、はるかさんか?かれんさんのどちらかだ。」
木嶋の携帯着信音は、《グループ分け》をしていた。
急いで、携帯の画面を覗いた。
「かれんさんからだ。」
安堵の表情を浮かべながら、電話に出た。
「もしもし、木嶋です。」
「もしも〜し、かれんです。木嶋さん、お久しぶりです。また、何度も、電話を頂き、ありがとうございます。」かれんさんは、木嶋に言葉を返していた。
木嶋は、
「かれんさん、お久しぶりです。元気そうで•••良かった。電話に出ないので、心配をしていました。」かれんさんに話していた。
かれんさんは、
「木嶋さん心配をお掛けして、申し訳ありません。今月は、試験が近く•••猛烈な追い込み勉強をしないと、周りの人たちから、置いて行かれてしまうので、携帯を手元へ置かずに、集中していました。」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「そう言うことなら、安心しました。携帯を鳴らしても、出そうな雰囲気じゃなかったので、倒れていたら、大変なので、家に行こうかと考えていました。」かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「木嶋さんの優しさに、感謝しています。これから、どうしますか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「これから•••どうしようかね!今、何時だろう?」
ふと、左腕にしていた腕時計で時間を確認した。
「午後1時を回ったばかり。お姉ちゃんは、夕方でないと、返って来ない。」木嶋は、迷っていた。
これから、かれんさんに•••会いたい気持ちはあるが、父親と、母親の面倒を見ないといけない。
【ジレンマ】を感じていた。
「今日は、父親と、母親の面倒を見ないといけないので、横浜に行くことは、出来ません。ゴメンね!」かれんさんに話していた。
かれんさんは、
「横浜に出て来れないなら、私が、木嶋さんの最寄り駅まで、伺いますよ。」木嶋に提案したのである。
木嶋は、どうするか?悩んでいた。