第869話
木嶋は、
「お母さん、小室さんのことを良く知っている•••会社の先輩に、聞いてみるよ。」母親に答えていた。
母親は、
「その方が、納得するんじゃあないの!」木嶋を援護射撃していた。
父親は、
「会社で、【プロ野球選手】を輩出したことあるのか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「会社で、【プロ野球選手】を、輩出したなんて話しは、入社以来•••聞いたことないね。【演歌歌手】なら、会社のお祭りで、来社したのは、記憶の片隅にあります。」父親に伝えたのである。
父親は、
「会社のお祭りに来る•••【演歌歌手】が来るのか!有名人なのか?」
「何度か•••舞台の上で紹介されたが、名前を覚えていないよ。」父親に話していた。
父親は、
「名前を覚えていないなら、完全に、《インパクト》が薄いね。」木嶋に告げた。
木嶋は、苦笑いをしていた。
母親は、
「もう一度•••《バッティングセンター》に向かうの?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「また、家を出て行くのも、《かったるい。》このまま、いるよ。」母親を安心させたのであった。
家に戻ってから、どれくらいの時間が経過したのだろう?
ふと、掛け時計を見つめた。
「もう•••昼になるのか!時間が経つのは、早く感じる。」一人で呟いていた。
母親は、
「お姉ちゃん、出かけたまま•••帰ってこないね。」父親に話していた。
父親は、
「お母さんは、心配性だから、困るね。」半ば•••呆れていた。
木嶋は、
「お母さん、昼ごはんを食べる前に、会社の同僚へ電話をしてくるよ。」母親に尋ねていた。
母親は、
「会社の同僚でも、長電話をしないようにね。」木嶋に告げた。
木嶋は、一旦•••外に出た。
「かれんさんに、電話をしないと•••」自分自身に、《エール》を贈ったのである。
携帯の着信履歴から、かれんさんの番号を、《スクロール》して、発信した。
「プッ、プッ、プッ、プルー」呼び出し音が鳴り響いている。
「なかなか出そうな•••雰囲気じゃあないのかな?《タイミング》が悪かったみたいだ。また、掛け直そう。」木嶋は、電話を切ったのである。
待つこと•••5分。
「気が短い人は、電話に出ないことで、すぐに、イラつくこともある。」木嶋は、イラつくこともなく、冷静に待っていた。
それから、さらに•••5分が経過。
「また、掛け直そう。」家に戻ったのである。
母親は、
「会社の同僚に、電話を掛けたの?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「電話に出なかった。また、あとで•••掛け直します。」母親に答えたのであった。