第842話
高校の同級生と言っても、夜間出身なので、お互いの気心が知れている。
安心している話しが出来るのである。
木嶋が、電話に出た。
「もしもし、木嶋です。」
「おっ•••木嶋か!俺だ、林下だ。元気にしているか?」林下さんが、木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「元気にしていたよ。随分、久しぶりだね。何か•••変化でもあったの?」林下さんに話していた。
林下さんは、
「木嶋は、彼女は•••いるのか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「彼女は、いっぱいいますよ。飲み屋にならね!」苦笑いをしながら、林下さんに答えていた。
林下さんは、
「何だよ!飲み屋にしか•••彼女が、いないのか?自分の会社に、好きな女性は•••いないのか?」木嶋に突っ込んでいた。
木嶋は、
「会社に、好きな女性は•••います。片思いで終わっています。」
「片思いか!《アタック》する勇気はないのか?」林下さんは、木嶋の心を、焚きつけていた。
木嶋は、
「その気持ちは、ありますが、同じ会社にいながら、話す機会がないのが、現状だね。」林下さんに話したのであった。
林下さんは、夜間高校のときも、好きな女性に対しては、負けを恐れず•••《アタック》していた。
その結果は、交際することが、出来たのである。
一方で、木嶋は、夜間高校のとき
は、ただ•••漠然と、過ごしていた。
夜間高校を卒業して、ふと•••考えていた。
「やっぱり、彼女がいないと、いけないよな!」不安に駆られていた。
実際、後輩と交際していたが、長続きはしなかった。
それでも、木嶋には、貴重な経験であった。
それからは•••
はるか、真美さん、玲さん、かれんさんと出会って行くのである。
女性と、交際したことがない人もいる。
また、女性に不自由しない人もいる。
女性が、女性を好きになる人もいる。
男性が、男性を好きになる人もいるのである。
木嶋は、
「林下さんは、彼女は•••いるの?」林下さんに尋ねていた。
林下さんは、
「俺も、木嶋のことを•••言えた義理じゃない。でも、何とかして、今の《現状を打破》しないといけないと思っているよ。」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「お互いに、頑張ろう。」林下さんに伝えた。
林下さんは、
「OK。頑張ろう。近いうちに、飲もう。また、連絡するからな!」木嶋に言い残して、電話を切ったのである。
木嶋は•••
「フー」と、息を吐いた。
「女性と、出会うにしても•••どこへ、行動に移せばいいのだろう?」考え込んでしまった。
「《結婚相談所》•••《出会い系サイト》、どちらも、いいところもあれば、悪いところもある。人に相談することじゃない。自分自身で、見つけるしかないか!」自分に、【喝】を入れたのであった。