第841話
木嶋は、
「そんなことを言われても、答えようがないのが現実です。」真美さんに伝えた。
真美さんは、
「木嶋君、いきなり、こんなことを言ってゴメンね!私の気持ちを分かってもらいたかったんだ。」木嶋に話していた。
木嶋は、
「ありがとうございます。」そう答えるしか出来なかった。
真美さんは、
「あとは、富高さん、はるかさん、かれんさんと一緒に会える日を、心待ちにしています。」木嶋に伝え、電話を切ったのである。
木嶋は、
「真美さんか•••意外な言葉を聞いてしまったかな!今年は、波乱含みの年で、色んなことが起き過ぎていて、整理がつかない。今の現状は、出口が見えない•••彷徨える迷路に入り込んでしまった。」心にゆとりがないのである。
ふと•••考えてみた。
「今までが、上手く•••行き過ぎていたんだ。」
そう物事を考えるようにしないと、余裕を持つことがなくなってしまう。
地元の最寄り駅から、家までは、およそ•••15分圏内である。
その時間が、気分転換には、丁度良かったのである。
そうこうしているうちに、家の近くの公園へ、たどり着いた。
木嶋は、
「家族は、寝ているのかな?」
ポケットから、部屋の鍵を取り出し、ドアを開けた。
母親が、
「お帰り。随分、ごゆっくりだったね!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「うん、明日も休みだからね。ついつい•••ゆっくりしてしまいました。」母親に話したのである。
母親は、
「早く、お風呂に入って、寝なさいよ。」木嶋に告げた。
木嶋は、
「はい。」母親に答えたのである。
母親は、布団に入った。
木嶋は、風呂に入ったのである。
「やっぱり、家の風呂はいいな!」自画自
賛していた。
最も、木嶋の家近く(いえちか)くには、銭湯もあれば、天然温泉もあ
る。
良く、天然温泉や、旅館の大浴場で、年配の人が、鼻歌を歌っているときがあるが、今の木嶋は、まさしく•••それである。
木嶋のお気に入りは•••
【とんぼ】である。
大都会東京をテーマにした曲である。
その歌詞を聴くたびに、頷くのであった。
その曲を、《カラオケ》で歌うときもある。
風呂から出た。
携帯を持ち、ふと画面を覗いた。
すると、メールの着信を知らせる•••《サイン》が出ていた。
「誰かな?」
チョット•••興味があった。
「さっきは、真美さんから電話があったから、それ以外の人かな!」
恐る恐る•••画面を確認した。
高校の同級生からであった。
木嶋は、《ズルッ》と、コケてしまったのである。