第824話
真美さんは、
「木嶋君、はるかさんがいるのだから、他の女性に《目移り》をしては、いけませんよ。」木嶋に諭していた。
木嶋は、
「他の女性に、《色目》を使ってはいけないかな!」真美さんに反論していた。
はるかは、
「木嶋さん、真美さんは、当たり前のことを言っていると思います。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「分かりました。以後•••気をつけます。」はるかに答えていた。
はるかは、
「木嶋さんが•••真美さん、《夜の仕事を引退する》と聞きましたが、本当なのですか?」いきなり核心に迫っていた。
真美さんは、
「はるかさん、私が、《夜の仕事を引退する》のは、事実です。私のお腹の中に、《新しい命が宿っています。今年の夏ぐらいに、産まれる予定です。これ以上•••身体に、負担を掛け続けるのは、正直、しんどくなって来ました。そこで、《お店のNo.2》の玲さんに、譲渡することに、決めたのです。」はるかに告げた。
木嶋は、
「真美さん、一人•••お子さんがいますよね。兄妹が出来るんですね。喜んでいいのか•••胸中、複雑ですよ。」真美さんに話していた。
はるかは、
「木嶋さんが、言われている通りかも知れないですね。私は、真美さんのお店で、いつかは•••働きたいなと考えていたので、これから、どうしようか•••考えないといけないですね。」真美さんに、率直な意見を述べていた。
木嶋は、
「はるかさん、また•••《夜の仕事》を復活させるの?」眉間に《シワ》を寄せて、はるかに問いかけていた。
はるかは、
「今すぐでは、ないですよ。もし、《夜の仕事》をするのなら、真美さんのお店にしようかなと•••」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「玲さんは、高校の時の同級生なので、意見は言えるが、はるかさんは、会ったこと•••あるかな?」はるかに尋ねていた。
はるかは、
「私は、会ったことがないと思います。木嶋さんは、一時期•••3軒のお店を、《ハシゴ》していたんですよね?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「うん。一時期•••《ハシゴ》していたね。良く考えると、富高さんと一緒に、お店に顔を出していたからね。真美さんは、転々(てんてん)と移動しては•••ついて行き、やっと、安住の地が見つかったと思えば、《引退》でしょう。何だか•••やり切れない気持ちだね。どうしたらいいのだろう!頭を抱えてしまうよ。」真美さんに呟いていた。
真美さんは、
「私が、色んなお店に移動するたびに、木嶋君と、富高さんに、ご迷惑をおかけして申し訳ない。」木嶋に頭を下げていた。
木嶋は、
「色んなお店で、女性たちと知り合えたことは、勉強になりました。感謝をしています。」真美さんに話したのであった。