第822話
地下の《コーヒーショップ》とは•••
横浜駅の地下街の外れにあった。
そこの《コーヒーショップ》は、はるかが、好んで行く場所である。
もちろん、木嶋も、はるかとの待ち合わせに使っていた。
最近は、地下の《コーヒーショップ》よりも、横浜駅から、程近い『Y』にいることが多い。
地下街の《コーヒーショップ》は、高島屋の地下の惣菜売り場から歩いて•••5分ぐらいの距離である。
地下の《コーヒーショップ》に到着した。
「いらっしゃいませ!」元気の良い•••若い女性店員さんの声が聞こえてきた。
「お客様は、1名様ですか?」若い女性店員さんが、木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「あとから、2名来るので、合計•••3名でお願いします。出来れば、奥の《テーブル席》が空いていれば、そちらに座りたいのですが•••」若い女性店員さんに答えていた。
若い女性店員さんは、
「奥の《テーブル席》をご希望ですね。ただいま確認をして参ります。少々(しょうしょう)、お待ち下さいませ!」木嶋に告げ、《奥のテーブル席》の空き状況を見に行った。
携帯が•••
「ピローン、ピローン、ピローン」鳴っていた。
木嶋が電話に出た。
「もしもし、木嶋ですが•••。」
「はるかです。お席は、空いていましたか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「今、店員さんに確認をして頂いています。もう少し、お待ち下さい。」はるかに伝え、電話を切ったのである。
女性店員さんが、木嶋の元に歩いてきた。
「お待たせしました。奥の《テーブル席》は、空いておりますので、どうぞ•••お入りくださいませ。」
木嶋は、女性店員さんに案内された•••《テーブル席》に座った。
女性店員さんは、
「こちらは、《メニュー》でございます。お決まりになりましたら、お声をかけて下さいませ!」木嶋に伝え、その場を離れて行った。
木嶋は、すかさず•••はるかの番号を、《スクロール》して、発信した。
「プッ、プッ、プッ、プルー」呼び出し音が鳴り響いていた。
はるかが、電話に出た。
「はるかです。木嶋さん、《奥のテーブル席》に座れたのですか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「うん。《奥のテーブル席》に座っているので、早く•••来てね。」はるかに話し、電話を切ったのである。
間髪入れずに、はるかと、真美さんが、木嶋の元に来たのである。
木嶋は、
「随分、早くない?」驚きながら、疑問を抱いていた。
真美さんは、
「はるかさんと一緒に、木嶋君の行動を•••お店の外から見ていました。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「2人に、背後から見られていたの?何か?嫌だね。」真美さんに答えていた。
はるかは、
「別に悪意があったのではないですよ。同時に入ったら、お店の人が混乱するからね。」木嶋を【フォロー】していた。
木嶋は、
「はるかさんが、そう言うなら•••」理解を示したのであった。