第811話
そうは言っても、新しい居場所を、新規開拓するのは、難しい。
コーヒーショップ『Y』に、代わる場所があれば一番いいのである。
いつものように、2階へ上がる階段を上って行く。
木嶋は、
「また、待ちぼうけなのかな?」不安に駆られながら、待つことにした。
今日は、手元に、持っているはずの《新聞》もない。
「こんなときに限って、何も持たずに出てきてしまった。《新聞》か•••《漫画本》でも、家から持ってくれば良かった。」一人で、ボヤいていた。
すかさず、携帯を取り出し•••
【Yahoo!】のトップページを開いた。
「何か•••話題は、あるのだろうか?」
【Yahoo!】の《コンテンツ》を探していた。
木嶋の好きなものは•••《スポーツ》である。 まず手始めに、《野球》の話題を見ていた。
『キャンプイン』が近いので、『合同自主トレ』などが多い。
もちろん、木嶋が、応援している《ジャイアンツ》を中心に、記事を読んでいた。
「どこの球団の選手も、張り切っているな!誰でも、《ペナントレース》に勝ちたいのは、一緒だ。」
続けて、
「評論家のみなさんが、春先になると、《順位予想》が始まる。《キャンプ》もそうだが、《春の高校野球》の《出場校》の発表も、間近に迫っているんだな!」両腕を組んだまま、動こうとしなかったのである。
『春』は、《選抜》からと、言われる通り•••《春の高校野球》が始まると同時に、色んな《スポーツ》が、紙面を賑わせるのである。
《高校野球》が終わると、《プロ野球》の《長いペナントレース》が始まる。
それと同時に、《ゴルフシーズン》も、幕が開くのである。
《ゴルフ》が始まると、溝越さんが、熱中する。
木嶋の会社には、《野球》、《ゴルフ》をする人が多い。
これから、毎日•••一喜一憂することがある。
すると、携帯が•••
突然•••
「ピローン、ピローン、ピローン」鳴り出していた。
木嶋が電話に出た。
「もしもし〜木嶋ですが•••」
「私、はるかです。木嶋さん•••今、どちらにいますか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「いつもと同じところにいます。」はるかに伝えた。
はるかは、
「私、あと20分ぐらいで着きますが、待っていてくれますか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「は〜い。なるべく、早く来て下さい。」明るい声で、はるかに答えていた。
はるかは、
「早く行きます〜。」木嶋に話し、電話を切ったのである。
木嶋は、
「やっぱり•••はるかは、《時間通り》に来ないな。毎回だから、嫌になってくる。」やり場のない怒りを、心に閉まっていた。