第806話
はるかは、
「真美さんが、引退するなんて、今でも、信じていいのか分かりません。ずっと、《夜の世界》で、過ごしてきた人が、そう簡単に考えられませんよ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「はるかさんが、言っていることは•••正論だと思います。今まで、店を移動する話しを、数多く聞いてきましたが、今回ばかりは、事情が違うと思います。」はるかに答えていた。
はるかは、
「私は、どうしようかな?真美さんとは、夜のバイトを辞めてから、会っていないので、正直•••迷っています。」率直な感想を述べていた。
木嶋は、
「そうだね〜。ただ、富高さんのことを考えると、恐らく•••《行こうよ》と答えるはずだよ。」はるかに告げた。
はるかは、
「細かいことは、木嶋さんとお会いする•••土曜日に、相談するでいいですかね?」木嶋に問いかけていた。
「そうしましょう。それでは、土曜日•••よろしくお願いします。」はるかに話し、電話を切ったのである。
木嶋は、冷静になって思案していた。
「真美さんは、今まで•••《夜の世界》1本で過ごしてきて、引退するなんて考えられないよな!単なる《駆け引き》なのかも知れない。でも、玲さんに、店を譲渡するから、余程のことがないと、決断することが出来ないよな!」理解するようにしていた。
一呼吸置いてから•••
「今は、真美さんよりも!かれんさんのことを考えないといけないな!」と、気がついたのである。
「かれんさんと、いつ会えばいいのだろう?今週の土曜日、日曜日は、はるかや、家族との予定を入れてしまった。優先しないといけないが、どうしたら•••いいのだろう?いつもなら、真美さんに相談するが、今回は、そうすることが出来ない。何か?もどかしさを感じる•••。」一人でボヤいていた。
すると、木嶋の携帯が•••
「プルッ、プルー、プルー」鳴り出していた。
画面を覗くと、かれんさんからである。
木嶋が
「もしも〜し、木嶋です。」明るい声で、電話に出た。
「木嶋さん、かれんで〜す。お久しぶり。元気でしたか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「元気にしていますよ。かれんさんは•••」かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「私は、元気です。木嶋さん、メールを読んで頂けましたか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「もちろんです。自分も、かれんさんに、連絡が出来なくて、申し訳なかった。」かれんさん謝罪をした。
かれんさんは、
「昨年•••《Xmas》に、木嶋さんと過ごした時間が忘れられないのです。」木嶋に本音をぶつけた。
木嶋は、
「自分も、かれんさんと一緒にいたときが、最高でした。」かれんさんに答えていた。
かれんさんは、
「木嶋さん、いつになったら会うことが出来ますかね?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「今週は、はるかさん、家族と予定が入っているので、来週になってしまいますが、いいですか?」かれんさんに尋ねていた。
かれんさんは、
「来週ですか?学校などの《スケジュール》を確認して、連絡をしますね!」嬉しそうな声で、木嶋に伝えた。
木嶋は、
「連絡を待ってま〜す。」かれんさんに話し、電話を切ったのであった。