第803話
なかなか良い待ち合わせ場所が、思いつかない。
「他に、適当な候補がない。どうしようかな?はるかは•••横浜が大好き。そこから、離れることは、死活問題。結局、あそこに、落ち着くか!」一人で呟きながら、結論を出した。
携帯の発信履歴から、はるかの携帯番号を、《スクロール》した。
「プッ、プッ、プッ、プルー」
呼び出している•••。
電話に出る気配がない。
「着信履歴を残しておけば、はるかから連絡が来るだろう!」木嶋は、そう考え、電話を切り、気長に待つことにした。
駐車場から、家に向かって歩き出した。
Gパンのポケットに入れていた携帯が•••
「プルッ、プルー、プルー」着信音が鳴り出していた。
木嶋は、急いで携帯を取り出した。
「もしもし〜、木嶋ですが•••」
「私、はるかです。先ほどは•••電話に出ることが出来ずに申し訳ありませんでした。」はるかは、木嶋に伝えた。
木嶋は、
「はるかさんも、忙しいと思いますので、気にしていませんよ。今週の土曜日、待ち合わせ場所ですが、なかなか最適なところがないので、《変わり映え》しないのですが、いつもと、同じでいいですか?」はるかに問いかけていた。
はるかは、
「いつもと、同じところで、OKです。時間は、午後にしたいので、私から•••連絡をすると言うことで、よろしいでしょうか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「時間は、はるかさんに一任します。午後でも、あまりにも•••遅いのは、勘弁して下さい。」はるかに話したのである。
はるかは、
「分かりました。」木嶋に答え、電話を切ったのである。
木嶋は、
「今週の土曜日か•••。はるかと、会うのは久しぶりだが、何か?高価な物を頼まれそうな•••気がする。思い過ごしであればいいけど•••。」不安な気持ちに駆られるのも、無理はないのである。
そんな予感が、的中するとは、思っていなかった。
やっと•••家に到着。 母親は、
「駐車場から、随分•••時間が掛かったね!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「うん。友だちと電話で話していたからね。」母親に答えていた。
母親は、
「遅いから、心配していたんだよ。」
父親は、
「お母さんを、不安な気持ちにさせては、いけないよ。心配性だから•••。」木嶋を諭していた。
木嶋は、
「お母さん、心配させて申し訳ない。」母親に頭を下げたのである。
お姉ちゃんは、
「今週の土日は、出かけるの?」木嶋の心を見透かしたように、聞いていた。
木嶋は、
「土曜日に、友だちと横浜で会う約束があるよ。待ち合わせ時間は、まだ決まっていないが、午後になると思うよ。」お姉ちゃんに伝えた。
お姉ちゃんは、
「土曜日は、出かけるのね。分かりました。お父さんと、お母さんは、私が、面倒を見るからね。」木嶋に話していた。
木嶋は、
「お姉ちゃんに、迷惑を掛けて、申し訳ないね。日曜日は、ゆっくり出来そうだよ。」お姉ちゃんに伝えた。
母親は、
「日曜日は、家族で、ゆっくりすれば•••。お父さん、それでいいよね!」父親に聞いていた。
父親は、
「うん。」と、頷いたのである。