第790話
木嶋は、
「久しぶりに、地元の温泉に来たね。身近にあるから、なかなか来ないのが、現実だね。」母親に話していた。
母親は、
「そうだね!地元にあるから、来ないね。今日は、寒いから•••温泉に入れば、身体が温まるね。」木嶋に答えていた。
お姉ちゃんは、
「たまには、お父さんの背中を流しなさい。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「そうだね。お父さんの背中を流そう。力を加減しないと、倒れちゃうよ。」お姉ちゃんに告げた。
お姉ちゃんは、
「お父さん、身体が細いからね。」頷いていた。
母親は、
「お母さんと、お姉ちゃんは、ゆっくりと温泉に入ってくるので、先に出たら、飲み物でも飲んで待っていればいいよ。」父親に問いかけていた。
父親は、
「お母さん、ビールでも飲んで待っていてもいいかな?」母親に、《ジョーク》を飛ばしていた。
木嶋は、
「もうすぐ、温泉に到着するよ。」父親に伝えた。
父親は、
「お母さんたちが、ゆっくり湯船に入っているなら、お父さんたちも、そうしようかね?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「あまり•••長風呂をすると、逆上せてしまうからね。適度のところで、湯船から出ないと、《立ち眩み》するよ。」父親に気をつけるように、諭していた。
母親は、
「やっと、到着したね。お姉ちゃん、車を誘導しないとね。」お姉ちゃんに話したのである。
地元の温泉は、住宅街の中にある。
縄文時代は、太古の森があり、それが、いつ間にか•••《田んぼ》になり、舗装され、工場がたち、稼働して、時代の流れに逆らえず、親会社が撤退して、工場が閉鎖になり、工場として稼働していた企業が、地下を採掘したら、温泉の鉱脈に当たったのである。
木嶋の勤務している会社も、住宅街の中にあったので、《工場集約》と言うことで、今の勤務地になったのである。
温泉と言うと、伊豆地方や、北関東、北信越などが思い当たるのである。
地元の温泉は、本物である。
温泉に入って帰宅すると、長時間、身体が温かくなっているのが分かるのである。
木嶋は、車の《シフトレバー》を《バックギヤ》に入れ、お姉ちゃんの合図に従っていた。
《バックギヤ》を、《パーキング》に入れ•••車の《エンジン》を切った。
父親は、
「お母さん、やっと到着したね。足元が暗いから、降りるとき•••気をつけないとね。」母親に話していた。
母親は、
「お父さんも、気をつけてね。」父親に伝え、車から降りたのであった。