第787話
母親も、木嶋の帰りが遅いので電話をしてきたのだ。
おそらく•••父親も、お姉ちゃんも、かなり、苛立っているはずである。
木嶋が、車に戻ってきた。
「何をしていたの?」母親が、木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「車椅子を戻して、駐車場までの道程を、歩いている途中で、会社
の同僚から電話があったんだ。」母親に答えていた。
母親は、
「連絡通路で立ち止まり、話していたの?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「いや、連絡通路で立ち止まりながら、話していないよ。」母親に伝えた。
母親は、
「余りにも、遅いよ。」木嶋に呟いていた。
木嶋は、
「お母さん、会社が、始まる前に•••一度、会うことになって、5日にしたんだ。家族で、何か?予定が入っていたかな?」母親に問いかけていた。
お姉ちゃんは、
「何も、家族で出掛ける予定は、ないような気がしたけどね!仕事は、いつからなの?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「6日からです。午前中に出掛けて、早目に戻ってくればいいよね!」お姉ちゃんに聞いていた。
お姉ちゃんは、
「後は、自分で決めればいいよ。翌日からの考えなさいよ!」木嶋を諭したのであった。
木嶋は、
「分かりました。」それが、精一杯の答えであった。
父親は、
「あんまり、遊び過ぎないようにしないと、身体が持たないよ。」木嶋に、優しい語っいた。
車のエンジンをかけ、《車両スペース》から、羽田空港の駐車場をあとにした。
羽田空港から、家までは、15分の距離である。
家族には、身近な【スポット】である。
母親が、
「今日は、色んなことが•••たくさん起きたよ。」父親に話していた。
父親は、
「うん。そうだね!【地下街】にいても、【羽田空港】にいても、車椅子のお世話になってしまったね!」母親に答えていた。
母親は、
「お父さん、主治医の先生の診察を受けないといけないね。」父親の身体のことを、心配していた。
父親は、
「今月の半ば•••診察があるよ。そのときに、先生に相談するよ。」母親に答えていた。
車は、大師橋を越えて、地元に戻ってきた。
いつもと、変わらぬ風景である。
今、地元は、新しい高速道路を建設していた。
その高速道路が出来れば、【通勤ラッシュの開かずの踏切】を、通る車の流れが、解消する。
大師橋を降りて、信号を右折した。
『この辺りは、警察が取り締まりを《強化》しているから、【携帯電話】を操作しながら、運転しないようにしないと•••。」
今は、【情報化社会】
一般道路でも、取り締まりを強化しています。