第785話
父親は、
「お母さん、膝の具合は、大丈夫なのか?」母親に尋ねていた。
母親は、
「途中から、車椅子に乗って移動したから、膝の具合も良くなってきたよ。車椅子を買わないといけないかね?」父親に聞いていた。
父親は、
「お姉ちゃんは、どう思うんだ?」お姉ちゃんに伝えた。
お姉ちゃんは、
「車椅子も、色んなメーカーがあるから、慎重に選ばないといけないかもね。一番いいのは、介護保険で《レンタル》出来れば、家での金銭負担も減るよ。」父親に答えていた。
父親は、
「介護保険•••か?お父さんも、お母さんも、払っているよ。一度、役所に行って、聞いてこないといけないね。」お姉ちゃんに話していた。
木嶋は、
「役所は、平日しか•••やっていないんだよね!」父親に呟いていた。
母親は、
「有給休暇があるのだから、取得しないと、勿体無いよ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「そうだね!自分の会社は、ある一定の限度を超えると、《切り捨て》られてしまう。お母さんが、言っているように、適度に休まないとね。介護保険で役所に行くとき•••一日有給を取ろうか!」母親に話していた。
母親は、
「そうと決まれば、なるべく早い時期に、役所に聞きに行ってほしいね。」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「仕事が、始まらないと•••休む日にちを決められない。」母親に答えていた。
父親は、
「さあ〜、車に戻って•••家に帰ろうかね!」母親に話してい
た。
木嶋は、
「お姉ちゃん、先に行ってるよ。お父さんのことは、頼んだよ。」お姉ちゃんに伝え、母親が乗っている車椅子を押して、《駐車場スペース》に行ったのである。
お姉ちゃんは、
「お父さん、急がなくていいからね!」父親に、優しく声を掛けていた。
父親は、ゆっくりと歩き始めていた。
木嶋は、
「お母さん、車に到着したよ。」母親に話していた。
母親は、
「やっと•••車まで来たね!安心したよ。」木嶋に告げた。
木嶋は、
「今、ドアを開けるからね!」
Gパンのポケットから、車のキーを取り出した。
「ピッ、ピッ、」車のキーが解除された。
「お母さん、車椅子から降りて、車に乗るよ!」母親に車椅子から降りるよう•••促していた。
母親は、車椅子から降りた。
どうやら、膝の具合が良くなったみたいである。
「大丈夫そうだね。お母さん、車に乗るよ!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「お母さんが乗ったら、車椅子を《インフォメーション》に返却するよ。」母親に問いかけていた。
母親は、
「いいよ。お姉ちゃんたち•••そんなに遅くならないだろうからね。」木嶋に話し、車に乗った。
父親も、母親も、乗るところは、いつも同じである。
父親が、木嶋の後方、母親が、お姉ちゃんの後方が、指定席であった。