第784話
木嶋は、車椅子を折りたたみ、携帯を《バイブレーション》に設定•••
母親と、お姉ちゃんが待つ場所まで、急いでいた。
すると•••Gパンの後ろにある携帯が、
「ブー、ブー、ブー」と振動している。
木嶋が、画面で確認すると、お姉ちゃんからであった。
「もしもし〜。」お姉ちゃんに言葉を返した。
お姉ちゃんは、
「今•••どこにいるの?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「今は、駐車場と、《出発ロビー》の連絡通路を渡ろうとしています。」お姉ちゃんに答えていた。
お姉ちゃんは、
「お母さんは、連絡通路手前にある椅子に座っているよ。早く来てね!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「了解しました。」お姉ちゃんに話し、電話を切ったのである。
早歩きしながら、車椅子を押して行く。
連絡通路を渡り切り、母親と、お姉ちゃんの姿を確認した。
「お待たせ•••。」母親に声を掛けた。
母親は、
「お母さん、羽田空港が広すぎて、歩き疲れちゃった。膝の具合が悪くなり始めたよ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「お母さん、少し体重を落とさないね。お父さんは、駐車場の椅子に座っているよ。」母親に答えていた。
母親は、
「お父さん、飲み物を飲んでいるの?」 「あっ•••いけない。お父さんに、飲み物を買わないで来ちゃったよ。まっ•••急いでいたから仕方がないよね!」母親に同意を求めていた。
母親は、
「仕方ないね!さて、車椅子に乗ろうかね。」
自分の身体を車椅子に預けた。
お姉ちゃんは、
「お母さん、車椅子に乗るのが、上手くなったんじゃないの?」母親に聞いていた。
母親は、
「お母さん、そんなに上手くなったかね?」お姉ちゃんに伝えた。
お姉ちゃんは、
「私は、そう感じるよ。」率直な意見を、母親に述べていた。
木嶋は、母親が乗った車椅子を押して行く。
お姉ちゃんは、
「お父さんのことが、心配なので、私は、《駆け足》で行くよ!」木嶋と、母親に話し、その場から走って行く。
木嶋は、車椅子を押して、駐車場に向かって行く。
お姉ちゃんは、
「お父さん、お待たせ。何か•••飲み物を飲む?」父親に尋ねていた。
父親は、
「さっき•••《コーヒー》を飲んだから、《水》でいいよ。」お姉ちゃんに答えていた。
お姉ちゃんは、
「《水》でいいの?外国よりも、日本国内がいいでしょう?」父親に、どちらにするか?選択するように、促していた。
父親は、
「外国の《水》よりも、日本のがいいな!」当然の答えを、お姉ちゃんに話していた。
お姉ちゃんは、
「分かりました。」父親に答え、自動販売機に歩いていた。
木嶋は、
「お母さん、もうすぐ•••駐車場に到着するよ。」母親に伝えた。
母親は、
「迷惑をかけて、ゴメンね!」木嶋に告げた。
木嶋は、
「お父さんも、お母さんも、身体が丈夫じゃないからね!」母親に話したのだ。
母親は、
「そうだね•••!」と、木嶋に答えたのであった。
木嶋は、
「お父さん、お母さんを連れて来たよ。」
「ありがとう。」父親は、木嶋にお礼を述べた。