第781話
父親が、
「うん。《アルコール》を飲んだら、お母さんたちに、迷惑が掛かってしまうからね。」木嶋に話していた。
木嶋は、
「そうだよ。誰よりも、一番•••心配をするのは、お母さんだよ。長野にいる•••本家の叔父さんにも、迷惑が掛かるし、長生きしないとね!」父親に答えていた。
父親は、木嶋の言葉に、頷いていた。
一方で•••
お母さんと、お姉ちゃんは、羽田空港内にある•••《ショップ》を見て回っていた。
お姉ちゃんは、
「お母さん、たまには•••《羽田空港限定》の物でも、買ってもいいかな?」母親に問いかけていた。
母親は、
「お姉ちゃん、《羽田空港限定》の物など、あるのかい?」お姉ちゃんに告げた。
お姉ちゃんは、
「《羽田空港限定》の物は、たくさんあるよ。正直に言えば、どれにしようかと•••迷っているんだ。」母親に打ち明けていた。
母親は、
「お母さんを頼られても、どれがいいのか•••判らないよ!お姉ちゃんが、買いたい物を、買えばいいよ。」お姉ちゃんに伝えた。
お姉ちゃんは、
「お父さんたちの意見も、聴いた方がいいかね?」母親に尋ねた。
母親は、
「お父さんたちも、《お姉ちゃんの好きにしなさい》と言うと思うよ!」お姉ちゃんに答えたのであった。
さすが•••母親である。
木嶋と、お父さんが•••
【面倒くさがり】なのは、御見通しであった。
実際、
木嶋は、はるかと一緒に、買い物などをしていても•••
木嶋自身が、判断するよりも、はるかの感性や、判断力を尊重している。
良く言えば•••《理解力》があると言いたいが•••
悪く言えば•••《丸投げ》と•••言われても、返す言葉がない。 木嶋は、羽田空港内の《ショップ》で、買い物をしている•••お母さんと、お姉ちゃんを見つけた。
「お父さん、お母さんたちは、まだ•••《ショップ》で、買い物をしているよ。一度、休んでから•••駐車場に向かおうかね?」父親に問いかけていた。
父親は、
「一度、休憩しようか。お母さんのところまで、歩いて行くか!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「そうしようか!お母さん•••車椅子に座ったまま、お姉ちゃんを待っているね。」父親に話したのだ。
父親は、
「お母さんと変わって、お父さんが乗るか!」車椅子に乗る気満々(きまんまん)である。
木嶋は、
「お母さん!」車椅子に乗っている•••母親に声を掛けた。
母親は、
「あら、もう•••こんなところまで来たの?お父さんは•••」父親のことを気にしていた。
木嶋は、
「お父さんなら、すぐそこにいるよ。」母親に話していた。
母親は、木嶋の後方にいる•••父親の姿を見つけた。
「お父さん、身体は、大丈夫なの?」父親に聞いていた。
父親は、
「ここまで歩いたら、くたびれたよ。」思わず本音が出てしまったのである。