第777話
木嶋は、携帯を取り出し、画面を覗いた。
「あちゃ〜•••!はるかからだよ。タイミングが悪すぎるよ。どうしようかな?」
一瞬、戸惑いながらも•••
「ここは、電話に出ないことにしよう。はるかも、諦めるだろう。」ここは、静観することを決めた。
父親が、
「さっきから、携帯が鳴っているのではないか?出なくていいのか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「お父さん、職場の仲間からだよ。後で、掛け直すから心配をしなくていいよ。」父親に答えていた。
父親は、
「大事な話しかも知れないから、早く•••掛け直しなさい。」安心をしていた。
木嶋は、
「お父さん、心配掛けて、ゴメンね。心臓は•••大丈夫なの?」父親のことが、気掛かりであった。
父親は、
「うん。大丈夫だよ。お母さんたちは•••【反対側の展望デッキ】に到着したかな?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「もう、到着しているはずだよ。ここで、チョット•••休憩して•••電話をしてみようか?」父親に同意を求めていた。
父親は、
「うん。そうしようかね!」
室内に設置してある椅子に、腰を降ろした。
木嶋は、携帯を取り出し、再び•••着信履歴から、お姉ちゃんの携帯に電話をした。
「プルッ、プルー、プルー、プルー」呼び出し音が鳴り響いている•••。
「また、《マナーモード》かよ。何度、掛ければ電話に出るんだ。」木嶋は、一人でボヤいていた。
父親は、
「お姉ちゃん、電話に出たか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「お姉ちゃんの携帯•••《マナーモード》だよ。お父さん、どうしようかね!」父親に告げた。
父親は、
「もう一度、お姉ちゃんに電話したら、どうだろう?それで、《ダメ》なら•••お母さんの携帯に連絡をした方がいいよ。」木嶋に伝えたのである。
木嶋は、
「そうしよう。」父親に答え、再び•••電話をしたのである。
「プルッ、プルー、プルー、プルー」呼び出している。
お姉ちゃんが電話に出た。
「もしもし〜電話に出なくて申し訳ない。」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「いい加減、《マナーモード》にするのは、止めたら!お父さん、呆れているよ。今、どこにいるの?」お姉ちゃんに聞いていた。
お姉ちゃんは、
「今は、【反対側の展望デッキ】にいます。お母さんは、車椅子に座りながら、《ホットココア》を飲んでいるよ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「お母さんと一緒に座っているのね!お父さんは、椅子に座って休憩しているので、これから歩き出すよ。」お姉ちゃんに話し、電話を切ったのであった。
父親は、
「お母さんたちは、【反対側の展望デッキ】にいるのか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「【反対側の展望デッキ】に座って、《ホットココア》を飲んでいるって言っていたよ。お父さん、歩き始めるよ。」父親に歩くように、促していた。
父親は、
「さぁ•••もう少しだね。」自分自身に喝を入れ、椅子から立ち上がった。