第774話
若いお姉さんは、木嶋に車椅子を預けたのであった。
木嶋は、
「お借りします。」若いお姉さんに話し、《インフォメーション》を後にした。
お姉ちゃんは、父親と、母親と一緒に、《ソファー》で、《マップ》を手にして、どこのお店に入ろうか?悩んでいた。
木嶋は、
「お姉ちゃん、車椅子を借りてきたよ。」お姉ちゃんに伝えた。
父親は、
「お父さんのために、借りてきてもらって•••悪いね!」木嶋に答えていた。
お姉ちゃんは、
「お父さんは、人よりも、肺活量が、少ないからね。あまり無理をしない方がいいよ。」父親に告げた。
父親は、
「そうだね!最近は、歩くのも•••辛くなってきているよ。」お姉ちゃんに話していた。 お姉ちゃんは、
「歩くのが辛いなら、散歩に出かけて、ケガでもしたら、どうするの?」父親に問いかけていた。
父親は、
「家にいたら、寝ているだけだよ。少しでも、体力を付けないと、病気をしたときに勝てなくなるよ。」お姉ちゃんに告げた。
木嶋は、
「お父さんの言う通りだね。」頷きながら•••
「こんなこともあろうかと思って•••《携帯用の酸素ボンベ》を、自分が、持ち歩いているよ。」父親に伝えた。
父親は、
「《携帯用の酸素ボンベ》なんて•••あるのか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「あるよ。良く山を登る人たちが、《携帯用の酸素ボンベ》を持ち歩いているって•••人づてから聴いたことがあってね。【東急ハンズ】に売っているのを思い出して、つい最近•••買ってきたんだ。」父親に話したのだ。
父親は、
「最近は、便利な物が売っているんだね。」感心していた。
母親は、
「お父さん、まだまだ•••長生きしないといけないね。」父親に告げた。
父親は、
「お母さんもだよ。」照れ笑いをしていた。
早速、父親が車椅子に乗った。
木嶋が、車椅子を押していた。
「お父さん、車椅子の乗り心地は、いいの?」父親に尋ねていた。
父親は、
「車椅子があると、楽でいいね。」木嶋に答えていた。
お姉ちゃんは、母親と一緒に歩いていた。
「お父さん、一旦止まるよ。」父親に告げた。
父親は、
「お母さん、お姉ちゃんと離れてしまったか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「どうやら、そうみたいだよ。お姉ちゃんに電話をするから、待ってね。」父親に話し、お姉ちゃんへ電話をしたのである。
「プッ、プッ、プッ、プルー」呼び出し音が鳴っている。
お姉ちゃんが電話に出た。
「もしもし•••お姉ちゃん、どこで待っていればいいの?」お姉ちゃんに問いかけていた。
お姉ちゃんは、
「去年、【展望デッキ】に行ったと思うが、【反対側の展望デッキ】で待っていてくれる?」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「【反対側の展望デッキ】にいればいいのね?お母さんのことは、頼んだよ。」お姉ちゃんに伝え、電話を切ったのである。
父親は、
「お姉ちゃん•••どこにいけばいいと、言っていたの?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「【反対側の展望デッキ】で待っているようにと言われたよ。」父親に答えたのであった。