第77話
電車の対面シートに座り、揺られながら、木嶋は、考えていた。
「はるかと出会って、2度目の誕生日プレゼントか…。我ながら良く頑張っているかな!」
木嶋は、麻美や玲にも同じことが言えるのだった!
「3人とも、自分には、良くしてくれている。、夜の関係で知り合ったが、今までの自分なら【その場限り】で長続きはしない。一時期、大森さんと会社の最寄り駅で、《あるビルの地下》に飲みに出掛けた時も、期間は短く、いつの間にか、大森さんに女がいたのは知らなかった。自分のお気に入りを紹介しない方がいいかな?」木嶋は、何かを感じ取っていたのだろうか!
「近い将来、みんなが、バラバラになるかは…神のみぞ知る…かな!」珍しく予言みたいな空想をしていたのだった。
木嶋は、手元にあった夕刊紙を手に取ったのだ。
いつも仕事帰りに、最寄り駅近くにあるコンビニに寄るのが日課になっていた。
普段は、一緒に帰る仲間がいるので、話しをしながら電車に乗っているが、一人でいると、時間を持て余すので、夕刊紙を買い、コーヒーを片手に飲みながら、読みのが当たり前になっていた。
電車に乗ってから、10分ぐらいしてから木嶋の携帯が、
「ピローン、ピローン、ピローン」聞き慣れている着信音が鳴り響いている。
はるかからである。
「木嶋さん、今、どちらですか?」
木嶋は、
「今ですね…もうすぐ乗換駅に着きますかね?」はるかに伝えたのだ。
はるかは、
「横浜には、何時ぐらいになりますか?」
木嶋は、腕時計で時間を確認した。
「おおよそ、午後4時30分ぐらいになるかと思いますが…」木嶋は、はるかに答えたのだ。
はるかは、
「分かりました。木嶋さん、どこで待ち合わせしますか?」木嶋に尋ねたのだ。
木嶋は、
「いつものコーヒーショップ『Y』で待っていますよ。時間も早いので、ウィンドーショッピングをしてきていいですよ。」はるかに話したのだ。
はるかは、
「いいのですか?」木嶋に確認したのだ。
木嶋は、
「いいですよ!」はるかに伝えたのだった。
「ヤッター」一段と大きな声で喜んでいた。
「木嶋さんは、どうなさるのですか?」はるかが、木嶋に尋ねたのだ。
木嶋は、
「自分は、新聞でも読んでいますよ!それと手帳に書くこともあるからね!」はるかに話していた。
はるかは、
「分かりました」木嶋に伝え、電話を切ったのだった。
電車が間もなく、乗換駅に着いたのだ。
木嶋は、各駅停車の電車から急行に乗り、横浜駅に向かったのだ。
急行は、人が多く乗車していた。
木嶋は、家から会社までの通勤は、最寄り駅から横浜駅経由で、相鉄線で通勤していて、途中で乗り換え、会社の最寄り駅までは、座って行くのだった。
乗換駅で、乗り換えても、座席は、比較的に空いているはずなのに、この日は、時間帯が、夕方に近くなり、人が、徐々に出始めていたのだ。
座席に座れないのが、珍しいくらいであったのだ。
「横浜駅まで立っていくのは、少し辛いかな!」
連結機部分近くまで歩いていくのだった。
立ち止まり、背を車両の壁に持たれていたのだ。
女性の声で、
「間もなく、横浜に到着です。」車内アナウンスが聞こえていた。
木嶋は、
「横浜か…」
そう思いつつも、横浜駅構内に、電車が入っていくのだった!
プラットホームに入り、電車のドアが、
「プシュー」とエアーを立てて開く。
木嶋は、階段を降りて行く。
改札口を出て、いつものコーヒーショップ『Y』の店内に入り、はるかが、来るまでの時間、ホットコーヒーをオーダーして、夕刊紙を再び、テーブルの上に置いたのだ。
オーダーしたホットコーヒーが、木嶋のテーブルに運ばれてきた。
砂糖、ミルクを入れ、右手でコーヒーのカップを持ちながら、新聞を読んでいた。
時間にして、30分ぐらい経過していた。
木嶋の携帯が、
「ピローン、ピローン、ピローン」着信音が鳴っていた。
はるかからであったのだ。
「木嶋さん、これから行きます。」木嶋に伝えていた。
木嶋は、
「待ってま〜す。」はるかに伝えて、電話を切ったのだった。