第766話
木嶋は、
「お父さん、もう•••お店から出てきたの?」少し、驚いた様子で、父親に話していた。
父親は、
「お父さん、ケガをして、家の中にいたので、久しぶりに人が多いところに、出歩いたら、嫌気が差して来たよ。」木嶋に伝えた。
母親は、
「お父さん、そんなことで、どうするの?」父親を叱咤していた。
お姉ちゃんが、パン屋から出てきた。
「お父さん、お店を出るのが早かったけど、身体は•••大丈夫なの?」父親に尋ねていた。
父親は、
「人混みに酔ってしまったよ。」お姉ちゃんに答えていた。
お姉ちゃんは、
「東京駅や、新宿駅などは、もっともっと、たくさんの人が、行き交っているよ。」父親に話したのだ。
父親は、
「いつもなら、人混みに酔うことはないんだよ。こっちに来たからだよ。」苦笑いをしながら•••
「お姉ちゃん、頼んだパンは、買ってくれたかな?」お姉ちゃんに聞いていた。
お姉ちゃんは、
「お父さんに頼まれたパンは、買いました。」父親に答えていた。
父親は、
「お母さん、これから•••どうするんだい?」母親に尋ねていた。
母親は、
「地下街の駐車場に向かって、ここを出ようかね!」父親に話していた。
父親は、
「そうだね。家に帰ろうかね!」ハッキリとした口調で伝えたのである。
木嶋は、腕時計で時間を確認した。
「お母さん、車椅子を返すまでに、まだ残り時間があるよ。」母親に告げた。
母親は、
「あと•••どれくらいの時間があるの?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「あと、1時間•••残っているよ。」母親に答えたのである。
母親は、
「お姉ちゃん、まだ•••返却(へんき
ゃく)まで、1時間あるよ!どうしようかね?」お姉ちゃんに問いかけていた。
お姉ちゃんは、
「それなら•••この近くに、《コーヒーショップ》があるから、みんなで、《コーヒー》でも飲みますか?」母親に伝えた。
母親は、
「お姉ちゃん、お父さんの飲み物は、あるのかな?」お姉ちゃんに尋ねていた。
お姉ちゃんは、
「お父さん、《コーヒー》は飲んだことが、あるよね?」父親に聞いてみた。
父親は、
「《コーヒー》は飲んだことがあるよ。一番いいのは、《ビール》か?《お酒》だね!おつまみ付きで•••」お姉ちゃん答えていた。
お姉ちゃんは、
「お父さん、また•••そんなことを言っているの?《コーヒーショップ》に、《アルコール系》は、取り扱っていないよ。《ドクターストップ》が掛かっているでしょう。【主治医】に見放されてもいいの?」父親に伝えた。
父親は、
「【主治医】に見放されたくないね。自分が長生きするためには、守らないといけないね!」お姉ちゃんに答えていた。
木嶋は、
「お父さんも、お母さんも、健康第一で、長生きして頂かないとね。」父親と、母親に話したのであった。