第758話
「今の時刻からだと、5分待ちか!乗り換えまでの時間を考慮すると、10分ぐらい掛かるな。最短で、横浜駅を出るのは、午後6時前後になる。まっ•••仕方ないね。」自分自身に言い聞かせている。
横浜駅に到着。
「やれやれって•••感じだね〜。JRの改札を通る前に、一度、家に電話をしよう。家族が心配しているから•••。」そう思っていた。
実際、木嶋の家族は、父親、母親、姉も含めて、全員が心配性である。
月に一度の定例会議•••
いつもなら、家に帰って来る時間なのに、帰って来ない。木嶋は、
「どこかで、酒でも飲んでいるのかな?」
父親は、帰宅して
•••直ぐに、酒を飲む。それが、日課である。
ただ、帰宅時間になっても•••帰ってくる気配がない。
時間は、刻一刻と過ぎて行く。
「お母さん、お父さん、遅いね!まだ、会議が、長引いているのかな?」母親に問いかけていた。
母親は、
「会議が、長引いているんと思うよ。」木嶋を宥めていた。
お姉ちゃんも、
「お母さん、やっぱり•••気になるよ。何か?あったんじゃないの?会社に、連絡を入れた方がいいんじゃないのかな?」母親に話していた。
母親は、
「お父さんの会社に、連絡を入れてみようか?」
そう思っていた矢先に•••
「プルッ、プルー、プルー」電話の呼び出し音が、鳴っている。
「何か•••凄く、嫌な予感する。」木嶋が呟いていた。
恐る恐る•••木嶋が、電話の受話器を取った。
「もしもし、木嶋ですが•••」
「木嶋さんのお宅ですか?」男性の声である。
「はい、そうですが•••」電話口の男性に言葉を返した。
「お父様が、こちらの病院に、救急車で、運ばれてきまして、今•••緊急の病室で手当てを受けています。お迎えにきて頂きたいのですが•••。」木嶋に伝えた。
木嶋は、動揺していた。
「お母さん、お父さん、病院に運ばれているみたいだよ。迎えに来て下さいと•••。」母親に尋ねていた。
母親は、
「お父さん、病院に運ばれたって•••どう言うことなの?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「電話口で聞くよりも、今いる病院に行こうよ。」母親を説得した。
お姉ちゃんは、
「私が、家にいるから•••お母さんと一緒に、お父さんを迎えに行ってきてくれるかな?」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「分かりました。」
母親と、自分が急いで病院に向かった。
父親と対面した。
幸い、大事に至らず、頭部を打っている可能性があるため、CTを撮り、先生から、説明を受けて帰宅した。
父親も、一緒に•••タクシーで家に帰って来た。
家では、姉が一人で留守番をしていて、気が休まらなかったと思うが、病院を出る前に、木嶋が•••電話をしてたのであった。