第755話
かれんさんは、
「木嶋さん、早く家に戻りましょう!」木嶋に告げた。
木嶋は、
「はい。」と、素直に答えたのだ。
かれんさんは、木嶋の左手を離さなかった。
木嶋の胸の中に、去来しているものがあった。
それは、かれんさんと別れることである。
正月早々(しょうがつそうそう)から、二人で、初詣に行ったり、智君たちと出会い、夫婦役をしたことを思い出していた。
ただ、別れると言っても、ずっと•••会えなくなるわけではない。
かれんさんは、
「木嶋さん、直ぐに会えますよね?」木嶋に問いかけていた。
「もちろん、近いうちに会えるよ。」確信はないが、そう•••かれんさんに答えていた。
木嶋には、そんな気が
していた。
かれんさんの家に到着。
木嶋は、
「さて、自分の荷物の整理をしないとね!」
そう言いながら、持ってきた《リュック》に、荷物を入れた。
かれんさんは、
「私は、自分の部屋にいますね!」木嶋に話し、部屋に戻ったのである。
昨日まで、着ていた洋服を一枚、一枚、丁寧に畳んでいた。
かれんさんは、部屋に入ったままである。
木嶋は、荷物の整理が終わり•••
「かれんさん、整理が終わったよ!」かれんさんに声を掛けた。
かれんさんは、
「は〜い。今、行きます。」木嶋に伝え、部屋から出てきた。
「かれんさん、2日間•••お世話になりました。」木嶋は、かれんさんに話したのだ。
かれんさんは、
「私の方こそ、楽しませて頂きました。木嶋さんが、この部屋から居なくなってしまうのが、とても•••寂しいです。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「それは、自分も同じです。また、直ぐに会えますよ。」かれんさんに告げた。
かれんさんは、
「木嶋さんが、次回来るまでに、料理の《レパートリー》を増やせるように、頑張ります。」木嶋に宣言した。
木嶋は、
「ありがとうございます。自分は、料理をすることが苦手なので、かれんさんが、羨ましいです。」かれんさんに話していた。
かれんさんは、
「はるかさんも、料理をするのではないですか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「はるかさん、料理は•••得意ではないですよ。普段、仕事に追われているので、どうしても、既製品を買ったり、両親に作ってもったりしていると、話していたよ。」かれんさんに話していた。
かれんさんは、
「仕事が忙しいと、どうしても•••そうなってしまいますね。私は、時間のあるときは、作りながら、作り置きもします。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「そうだね•••はるかさんなりに頑張っていると思えばいいかな。【バレンタイン】は、手作りがいいな!」かれんさんへ希望を話したのだ。
かれんさんは、
「分かりました。【バレンタイン】は、手作りの何かをします。それが、何になるかは、当日までの【秘密】です。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「当日が、楽しみだね!」今から、その日が来るのを待ちわびていたのであった。