第741話
木嶋は、
「みんな•••いいかな?一、二、三の掛け声で、一斉に食べるよ。」かれんさん、智君、菜摘ちゃんに同意を求めていた。
智君は、
「パパ、何だか•••ワクワクして来たよ。」好奇心が出てきたのである。
小さな子どもは、色んなことに、見たり聞いたり、体験したいものである。
かれんさんは、
「ママが、掛け声を掛けるからね〜。《フライング》しないようにね!」
「一、二の三」
智君と、菜摘ちゃんの食べている《広島風お好み焼き》が、当たりを引いたのであった。
菜摘ちゃんは、
「ママ、何か•••お肉が入っている感じがする。」かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「智君にも、お肉が入っていたのかな?」智君に聞いていた。
智君は、
「うん。入っていたよ。屋台のお姉さんが、《サービス》すると言っていたのは、これだったのかな?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「屋台のお姉さんが、《サービス》してくれたのは、牛肉です。自分たちが、買う間近に、《広島風お好み焼き》の中に入れていました。その瞬間、智君は•••携帯に気を取られて、見ていなかったのです。ママには、そっと•••打ち明けていました。」智君に答えていた。
智君は、
「そうだったんだね。僕は、分からなかった。まだまだ、色んなことを勉強しないといけないね。」一人で頷いていた。
菜摘ちゃんが、
「ママ、このお肉が、とても美味しいよ。今まで、食べたことがないくらい。」かれんさんに告げた。
かれんさんは、
「じゃあ、ママも•••一口、戴こうかな?」菜摘ちゃんに話していた。
菜摘ちゃんは、
「私が、ママのお口に入れるね!」かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「そうして、戴こうかな?」表情
は、笑顔になっていた。
菜摘ちゃんが、
「ママ、一口
(ひとくち)•••どうぞ。」かれんさんの口に入れた。
かれんさんは、菜摘ちゃんの小さな右手を、自分の右手で支えながら、口に入れたのである。
かれんさんは、お肉を食べた。
「このお肉•••美味しいね。」菜摘ちゃんが言っていることを理解していた。
木嶋は、
「ママ、そんなに劇的な美味しさなの?」かれんさんに尋ねていた。
かれんさんは、
「パパ、本当に美味しいですよ。智君から、一口•••食べてみれば分かります。」木嶋に食べるように催促した。
木嶋は、
「智君、パパに•••一口、戴けるかな?」智君に尋ねていた。
智君は、
「うん•••いいよ。」木嶋の口に入れた。
木嶋は、
「何だろう?どう表現したらいいのかな?言葉が、思い浮かばない。」率直な感想を述べていた。
木嶋、かれんさん、智君、菜摘ちゃんが食べた牛肉は、A5のランクであった。