第740話
智君は、
「ママ、割り箸で、《お好み焼き》を切るの•••上手だね!」かれんさんに告げた。
かれんさんは、
「ママは、このくらいは、《お手の物》よ。」胸を張って、答えていた。
木嶋は、
「ママ、これで•••4等分出来たかな?」かれんさんに尋ねていた。
かれんさんは、
「パパ、4等分出来ましたよ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「先ほどの屋台で、《サービス》すると話していたが、何に対してなのか?解らないよ。」率直な疑問を、かれんさんに投げかけた。
かれんさんは、
「案外、《広島風お好み焼き》の中に、隠されているんじゃないですか?」木嶋に話していた。
木嶋は、
「そうかも知れないね。食べてみよう。」かれんさんに答えたのである。
チョットした•••
【ロシアンルーレット】の始まりである。
【ロシアンルーレット】とは、飲み会の席で、盛り上げるゲームの一つとして、良く行われている。
木嶋が、良くやるゲームは、《じゃんけん目隠し》である。
《じゃんけん》は、誰でも、簡単に出来る。
勝てば好きなのを選べるが、負ければ最後に残ったのを食べることになるのである。
人は、目隠しされるほど、嫌なものはない。
今回の場合は•••
《オーソドックス》な《じゃんけん》である。
どれに、当たりが入っているかは、食べないと分からないのであった。
木嶋は、
「《じゃんけん》するからね。勝ったら•••どれでも好きなのを取ってね。じゃあ、始めるよ。」
「じゃん•••けん•••ポイ。」
木嶋は、《グー》
かれんさんが、《グー》
智君が、《パー》
菜摘ちゃんが、《パー》で、智君と、菜摘ちゃんが勝ったのである。
智君は、
「パパ、2人が勝ったから好きなのを、選んでいいんだよね?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「うん。いいよ!好きなのを選んで、たべてね!」智君に答えたのである。
智君は、菜摘ちゃんと一緒に、目を光らせながら、選んでいた。
かれんさんは、
「智君、チョット•••待ってね。《アイマスク》をするからね!」智君に話していた。
智君は、
「《アイマスク》をするんだね。何だか•••《スイカ割り》をしている気分!」かれんさんに告げた。
確かに、智君が言うように•••
夏になると、子ども向けのゲームは、《スイカ割り》をやっているところは多い。
《スイカ割り》は、《アイマスク》をするのが、当たり前である。
人の声を頼りに、歩き•••自分の感覚で、竹刀を振り下ろす。
その瞬間、当たったときの感触は、何とも言えないくらいに、【最高な気分】になるのである。
智君は、菜摘ちゃんの声を頼りに、《広島風お好み焼き》を、2つ選んでいた。
「これと、これかな?」少し自信がないのか?不安な表情を見せていた。
木嶋は、
「ママ、お先にどうぞ。」かれんさんに、《シグナル》を出した。
かれんさんは、残った•••2つのうち、1つを選び、木嶋は、最後の1つを取ったのであった。