第738話
木嶋には、5分間が、とてつもなく、長く感じられていた。
智君は、
「パパ、もうすぐ•••ママの元に戻ることが出来るね!」心が、躍動していた。
木嶋は、
「そうだね。もうすぐ•••ママと、菜摘ちゃんのところに帰れるね。」智君に相槌を打ってたのだ。
若い女性が、
「お待たせしました•••《広島風お好み焼き》が、焼き上がりました。」先ほどと同じように、威勢の良い声を張り上げていた。
木嶋の前にいた•••若いカップルが、
「《広島風お好み焼き》を、5枚下さい。」若い女性に伝えた。
若い女性は、
「《広島風お好み焼き》を、5枚ですね!ありがとうございます。2000円になります。」若いカップルに答えていた。
若いカップルは、2000円渡したのである。
若い女性は、そのお札を見て•••
「【2000円札】ですね!今では、珍しいお札です。お買い上げありがとうございます。」にこやかな表情で、若いカップルに話していた。
若いカップルは、
「こんなときでないと、2000円札を使う機会がないので•••。」苦笑いをしていた。
それを見ていた智君は、
「パパ、【2000円札】は、持っていないの?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「【2000円札】•••か!財布の中にあったかな?智君、チョット、待ってね。」智君に告げた。
智君は、
「パパが持っていたら、自分と、妹に、お小遣いで欲しいな。」木嶋に話していた。
木嶋は、慌てて財布の中を確認した。
「おっ•••【2000円札】は、3枚あるね。あとで、智君と、菜摘ちゃんに《プレゼント》しよう。」智君に伝えた。
智君は、
「ヤッター。パパ、ありがとう。」両手を突き上げて、喜びを表現していた。
木嶋は、
「智君、次だよ。」智君に声を掛けた。
若い女性が、
「いらっしゃい。」木嶋たちに声を掛けた。
木嶋は、
「《広島風お好み焼き》を、2枚下さい。」若い女性に伝えた。
若い女性は、
「《広島風お好み焼き》を、2枚ですね。800円になります!」木嶋に答えていた。
木嶋は、【1000円札】を出した。
若い女性は、拍子抜けをしたように、
「200円のお釣りですね。ありがとうございます。」木嶋に、お釣りを手渡した。
木嶋は、その小銭を、財布に入れたのである。
若い女性が、なぜ?拍子抜けしたのだろうか?
それは、先ほど•••2000円札が出たので、木嶋と、智君の会話を聞いていれば、おのずと•••続けて出る可能性を秘めていた。
木嶋は、
「お姉さんの期待を裏切ってしまい、申し訳ありません。」若い女性に頭を下げていた。