第730話
人混みが多い場所で、迷子になるのを、避けなければならない。
1990年代は•••
【東京ディズニーランド】などは、子どもが迷子になると、両親の呼び出し放送をしていたことがあった。
今は、携帯電話の急速な普及と同時に、呼び出し放送は、消えてしまったのである。
木嶋は、
「智君、携帯電話は•••所持しているのかな?」智君に尋ねていた。
智君は、
「僕も、妹も、持っているよ。」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「もしものために、番号を教えてくれるかな?」智君にお願いをした。
智君は、
「うん、いいよ。お兄ちゃんの番号も教えてね!」目を輝かせていた。
木嶋は、智君の携帯を持ち、番号を入力した。
智君の携帯に発信した。
「ピリッ、ピリッ」
《バイブレーター》の着信音が鳴った。
木嶋は、
「これでいいかな?」思わず納得した表情であった。
智君に、
「智君、ありがとう。」言葉を掛け、携帯を戻した。
智君は、
「うん。今、電話が鳴ったから、それが•••お兄さんの番号だね?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「そうだよ。」そう話していた。
かれんさんも、菜摘ちゃんの携帯番号を教えてもらっていた。
「菜摘ちゃん、お姉さんが、今•••掛けるからね!」菜摘ちゃんの携帯に発信したのである。
菜摘ちゃんは、
「わ〜い。お姉ちゃんの番号を教えて頂いて、嬉しいな!」無邪気な笑顔で答えていた。
木嶋も、かれんさんも、智君や、菜摘ちゃんの笑顔を見るたびに、癒されていた。
智君は、
「お兄ちゃん•••最初に、綿菓子を食べたいな?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「綿菓子•••ね!いいよ。菜摘ちゃんと一緒に食べないとダメだよ。」智君に伝えた。
智君は、
「もちろんだよ。」木嶋に答えたのだ。
智君と、木嶋は、《綿菓子》の屋台に並んでいた。
一方で、菜摘ちゃんと、かれんさんは、《水あめ》の屋台に並んでいた。
屋台のお姉さんが、
「いらっしゃいませ!」菜摘ちゃんと、かれんさんに声を掛けていた。
菜摘ちゃんは、
「お姉ちゃん、菜摘•••《水あめ》が好きなんだ。《じゃんけん》に勝ってね。」かれんさんに、《プレッシャー》を掛けていた。
かれんさんは、
「菜摘ちゃん、《水あめ》が好きなんだね。それなら、お姉さん•••頑張っちゃおうかな?」にこやかに話しながら•••
「私、《チャレンジ》します。」屋台のお姉さんに告げた。
屋台のお姉さんは、
「お姉さん、《チャレンジ》しますか?私は、《じゃんけん》強いですからね。簡単には、まけませんよ!」かれんさんに話していた。
かれんさんは、
「私も、負けないですよ。」 屋台のお姉さんに、【ライバル心】を燃やしていた。
屋台のお姉さんは、
「最初は、《グー》でお願いします。」
「最初は、《グー》•••じゃんけん•••ポン」
かれんさんは•••《チョキ》
屋台のお姉さんは•••《パー》
ここで、勝負あり•••
かれんさんの勝利である。
「ヤッター」かれんさんが、両手を上げた。
屋台のお姉さんは、
「完敗です。」潔く負けを認めたのである。