第729話
木嶋、かれんさん、智君、菜摘ちゃんの順で、《コンビニ》を出て行った。
智君のパパは、
「ママ、あの4人の後ろ姿を見ていると、本当の親子に見えないか?」ママに尋ねていた。
ママは、
「パパの言う通りだね。眩しすぎるくらい、《光り輝いて》いるね。」苦笑いをしながら、パパに答えていた。
パパは、
「今年は、正月早々(しょうがつそうそう)から、教え子と、その彼氏に出会うなんて•••縁起がいいな!」一人で頷いていた。
智君は、木嶋の右手を握り締め•••
菜摘ちゃんは、かれんさんの左手を握り締めていた。
智君は、
「僕•••射的を、やってみたいんだ。お兄ちゃんは、やったことがあるのかな?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「射的•••か!得意じゃないんだよね。あれば•••お兄さんも、《チャレンジ》しようかな!」智君に話していた。
智君は、
「もし、あったら•••《チャレンジ》してもいいかな?」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「何事も、《チャレンジ》しないと、いけないよ。」智君に答えていた。
一方で•••
菜摘ちゃんは、かれんさんと、何やら•••耳打ちしていた。
かれんさんは、にこやかに、頷いている•••。
木嶋は、
「菜摘ちゃん、かれんさんと何を話しているのだろう?」内心、【ヤキモキ】していた。
かれんさんが、手招きしている。 木嶋は、思わず•••
「自分•••?」指差していた。
どうやら•••正解である。
急いで、かれんさんの元に、走って行く。
なかなか•••脚が思うように、前へ出ない。
木嶋が、【ランナー】として、走ることがないので、遅くなっている•••。
「ヤバイな!短距離でも、走る練習をしないと、キツイな!」自分自身に戒めていた。
菜摘ちゃんと、かれんさんの元に到着。
木嶋は、
「何でしょう?」二人に問いかけていた。
菜摘ちゃんは、
「お姉ちゃんと一緒に、手を繋いで欲しいんだ。」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「お姉ちゃんと、手を繋ぐの?」目を白黒させていた。
一瞬、戸惑いながらも•••
「いいよ。」と、答え•••
菜摘ちゃんが、かれんさんの左手を握り締めたまま、木嶋は、かれんさんの右手を握った。
智君も、走りながら•••木嶋の右手を握っていた。
横一列に並んだのである。
「何か•••デモ行進みたい。」木嶋は、苦笑いをしながら、かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「私は、この方が、本当の家族みたいでいいですよ。」木嶋に話していた。
木嶋は、
「本当の家族•••ね!」納得していた。
智君は、
「お兄ちゃん、屋台が見えてきたよ。」木嶋に告げた。
木嶋は、
「あっ•••本当だ。人が、たくさんいるよ。智君も、菜摘ちゃんも、逸れないようにね。」智君と、菜摘ちゃんに注意を促していた。
智君も、菜摘ちゃんも、木嶋の言葉を•••真剣に聞いていたのである。