第722話
かれんさんは、
「この駅周辺の《コンビニ》にしては、大きな店舗だと、思います。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「そうだね。これだけ大きい店舗だと、車を止める人などもいるので、智君のご両親が忙しいのは、理解が出来るよ。」思わず納得してしまった。
菜摘ちゃんが•••
「お姉ちゃん、早く、温かい食べ物を買って•••
。お腹が空いた〜。」かれんさんを急かしていた。
かれんさんは、
「菜摘ちゃん、さぁ•••入ろうか!」菜摘ちゃんの左手を握りしめ、店の中に入って行く。
「ピコン、ピコン」
お客さんが入店した•••《シグナル》であった。
店内にいる店員さんが•••一斉に、
「いらっしゃいませ!」元気な声が聞こえてきた。
「あれっ•••菜摘じゃないか?」
若い男性店員さんが呟きながら、菜摘ちゃんのところに歩いて行く。
「菜摘•••」声をかけた。
菜摘ちゃんは、
「あっ•••パパ。」表情が明るくなった。
若い男性店員さんは、どうやら•••菜摘ちゃんのパパであった。
「菜摘、お姉ちゃんと知り合いなのか?」菜摘ちゃんに尋ねていた。
菜摘ちゃんは、
「お姉ちゃん、友だちだよね?」かれんさんに告げた。
かれんさんは、
「そうだよ。」菜摘ちゃんに答えていた。
菜摘ちゃんのパパが、顔を上げた。
「あっ•••貴女でしたか?菜摘の面倒を見て頂き、ありがとうございます。」かれんさんに話していた。
かれんさんは、
「先生ではないですか?お久しぶりです。ここで、会うなんて奇遇ですね〜。」菜摘ちゃんのパパに答えていた。
それを見た•••菜摘ちゃんは、
「パパは、お姉ちゃんの先生だったの?」パパに聞いていた。
菜摘ちゃんのパパは、
「菜摘、お姉さんは、パパが、中学校の先生をしたときの教え子なんだ。」菜摘ちゃんの頭を撫でていた。
菜摘ちゃんは、目を輝かせていた。
「今ね•••お姉ちゃんには、素敵な•••お兄ちゃんがいるんだよ。」菜摘ちゃんのパパに話していた。
菜摘ちゃんのパパは、
「どんな•••お兄さんかな?菜摘が言うくらいだから、きっと•••かっこいいのかな?パパは、見てみたいな!」菜摘ちゃんに伝えた。
菜摘ちゃんは、
「お姉ちゃん、お兄ちゃんを呼びに行こうよ。」かれんさんと一緒に、コンビニの外に出た。
木嶋は、
「かれんさん、菜摘ちゃんと、《コンビニ》の中に入ったんじゃないの?」かれんさんに問いかけていた。
かれんさんは、
「それが、菜摘ちゃんのパパは、私の中学校の先生だったのです。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「そうなの?全くの奇遇じゃないの!でも、意外な発見をしたね。かれんさんの中学校の先生なの会うなんて•••お互いが、驚いたでしょう?」かれんさんに話していた。
かれんさんは、
「そうですね〜。世間は、広いと思っていましたが、狭く感じました。」木嶋に告げた。
木嶋は、
「そんなものだよ。」かれんさんに話していた。
智君は、
「お兄ちゃん、お姉ちゃんたちと一緒に、《コンビニ》に入ろうよ!」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「みんなで行こうよ。」かれんさんたちに《シグナル》を出したのであった。