第698話
《第2区》のトップ争いを制したのは、2位で襷リレーしたチームであった。
かれんさんは、
「木嶋さん、最初に•••《トップ》で通過してチームは、2位の選手でしたよ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「自分の予想と、随分違うかな!」苦笑いをしていた。
かれんさんは、
「木嶋さんが、予想していたチームは、何処だったのですか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「襷リレーしたときの《タイム差》を考えたら、そのまま逃げ切れると、思っていたんだ。」かれんさんに答えていた。
かれんさんは、
「私は、どうなるのかな?と•••興味本位で観ていて、何となくですが、そう感じたのです。」木嶋に話していた。
木嶋は、
「結果論になってしまうが、《トップ》で通過したチームに余力があったんだね。選手の表情を見ていれば、分かったかも知れないね。」かれんさんに伝えたのである。
3位争いも、熾烈を極めていた。
10人の集団になり、牽制している。
残り•••1㌔。
集団の先頭にいた選手が、ここぞとばかりに•••《ラストスパート》を掛けた。
それと同時に、左横で並走していた《ランナー》も、前に出て行った。
かれんさんは、
「木嶋さん、2人の《ランナー》が•••《ラストスパート》を掛けましたね。後ろにいる《ランナー》がついて来ませんね?どうしたのでしょうか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「画面上でしか判断出来ないが、後続の《ランナー》の人たちは、前を追いかけたときに、《スタミナ》を使い切ってしまったと思います。」かれんさんに告げた。
かれんさんは、
「やはり、前の《ランナー》に追いつくのに、かなりの消耗したのですね?」
「自分も、同じ場所にいたら•••追いつくことに、全力を傾けてしまうよ。」木嶋は、かれんさんに話したのである。
かれんさんは、
「これが、《レース》の駆け引きなのですね。」思わず、納得していた。
5位争いも、8人から•••3人になった。
木嶋は、
「5位争いも、面白くなりそうだね。」かれんさんに呟いていた。
かれんさんは、
「入賞とかは、あるのですか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「入賞は、8位までだよ。《シード権》もあります。」かれんさんに答えていた。
かれんさんは、
「木嶋さん、《シード権》って•••何ですか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「《シード権》は、予選会を免除されることです。」かれんさんに答えたのだ。
かれんさんは、
「《予選会》ですか?」不思議な表情で、木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「《予選会》と言うのは、各地区であり、そこの上位何チームが、この大会に出場することが出来ます。」かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「各地区ごとで、出場出来るチームは、違うのですか?」
「各地区ごとで、違います。東日本地区は、一番枠が多いよ。」木嶋は、かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「東日本地区が、出場出来るチームが多いんだ•••。みんな必死になるのですね!分かるような気がします。」頷いたのであった。