第682話
幸いにも、部屋の中で暖房が入っているので、寒さで、風邪をひくことはない。
「30分ぐらい…このままで居よう!その方が、かれんさんも安心だ。」木嶋は、一人で呟いていた。
《リモコン》で、《テレビ》の《チャンネル》を変えた。
「おっ…【テレビ朝日】は、旅番組をやっているんだ。かれんさんが、起きていたら、こんな場所に行ってみたいと思ってしまいそうだ。」ため息が出ていた。
かれんさんが、気づいた。
「あっ…木嶋さん。私、寝てしまったみたいですね!かなりの時間…寝ていましたか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「時間にして、30分ぐらいかな?」かれんさんに答えていた。
かれんさんは、
「そうですか!木嶋さん、毛布を掛けてくれたのですね。ありがとうございます。」
「未来妻に、体調が悪くなったら大変。何か?掛けていないと…ね。新年を迎えるのに、病院通いじゃあ…年末年始休暇が、寝正月になってしまうからね。」木嶋は、かれんさんの体調管理に気を配っていた。
かれんさんは、
「ありがとうございます。さてさて…木嶋さん、甘酒でも飲みますか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「甘酒…か。身体も、温まるから、飲もうよ。板粕とかを入れるの?」かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「板粕は入れません。《スティックタイプ》ですよ。今、ご用意をしますね。」
木嶋の元から、立ち上がり…《キッチン》に向かった。
木嶋は、
「何か…本当の夫婦みたいだね。憧れてしまうな!」かれんさんに告げた。
かれんさんは、
「そうですね。私、好きな人と、ずっと一緒にいたいですよ。」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「そうだよね。はるかさんと、一緒に過ごすことはあっても、お互いの家に行くことは、まず…あり得ない。本当に彼女なのかも、甚だ…疑問を抱いている。果たして、それが…いいのか?悪いのかも、分からないね!」思わず本音が出てしまう。
かれんさんは、
「これは、私の勘ですが…はるかさん、木嶋さん以外の人と…お付き合いをしている人がいる可能性が、あるかも知れませんね!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「男性よりも、女性の勘が鋭いのは事実だからね。口では、他に付き合っている人はいないと…言っているが、本当のところは、分からないね!」かれんさんの言葉に納得していた。
かれんさんは、
「木嶋さんが、聞きづらいなら…私が、替わりに聞いてもいいのですが…どうしますか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「はるかさんのことで、かれんさんに、迷惑をかけることは出来ません!いずれにしても、話しをしないといけない問題なので、自分自身で、何とか…しますよ。」かれんさんに答えていた。
かれんさんは、
「はるかさんより、私の方が…魅力的ですよ。」自分を…《アピール》していた。
その魅力に、木嶋は、《クラッ》としたのである。