第666話
木嶋は、今まで…北海道に、行ったことがある。
しかし…南国の九州、沖縄地方に行ったことがない。
お姉ちゃんは、何回か…《グアム島》に、友だちと出かけたことがある。
それでも…
海外に、10年以上も…旅行に出掛けていない。
それを考えると、麻美さんが…沖縄に行くのが羨ましく思えたのだ。
お姉ちゃんが、
「どうしたの?浮かない顔をして…」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「今ね…自分と同年代の女性が、子どもを連れて…沖縄旅行に行くらしい!」お姉ちゃんに話していた。
お姉ちゃんは、
「それで、さっきは…手を振っていたのか…!いきなり、そんなことをするから、どうかしたのか?と思って心配したよ。年末年始を、関東地方で過ごすよりは、暖かい地域の方がいいよ。まっ…人それぞれだよ。今の時期、料金が高いんじゃないの?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「そうだね。年末年始や、長期連休は、どこも…混んでいるからね!自分も、いつかは…沖縄に行きたいと言う目標が出来たよ!」お姉ちゃんに答えていた。
母親は、
「会社の永年勤続で行けるんじゃないの?」木嶋に話していた。
木嶋は、
「会社の永年勤続か…確かに、その方法もあるね。ただ、旅行にいける年数までは、あと…10年あるよ。」母親に伝えた。
父親は、
「あと…10年もあるのか?お父さん…その頃まで、生きているか?分からないぞ。」木嶋に告げた。
木嶋は、
「もちろん、お母さんも、長生きしてほしいよ。」母親に話しつつ…
「お父さんは、院長先生から、言われていることを守らないとね!」父親に《念押し》した。
父親は、
「そうだね!院長先生に、言われていることを、守らないとね!」木嶋に理解を示していた。
お姉ちゃんは、
「私も、連れて行っておくれ!」木嶋に嘆願していた。
木嶋は、
「永年勤続の旅行で行くなら、家族全員で行った方が楽しいよ。最も…自分が、お嫁さんをもらっていなければね!」微妙な言い回しをしていた。
お姉ちゃんは、
「誰か…いい人でもいるの?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「いないよ。いたら…家族に話しているよ!」お姉ちゃんに答えていた。
お姉ちゃんは、
「そのときは、きちんと…言うんだよ。」木嶋に話していた。
母親は、
「いい人に出会えればいいね!」お姉ちゃんに伝えた。
お姉ちゃんは、
「そうだね。」母親の言葉に頷いていた。
木嶋は、
「今の段階で、好きな人がいます…なんて、《大袈裟》なことは、言えないよな!」心の中で呟きつつ…
「話す《タイミング》が難しいな!」実感していた。
父親は、《インフォメーション》前の椅子に座りながら…
「お姉ちゃん…早く《車椅子》の手続きをしてくれる?」お姉ちゃんに催促していた。
お姉ちゃんは、
「お父さん、今…手続きをするからね。」小走りしながら、《インフォメーション》に向かった。