第659話
お姉ちゃんは、
「お父さん、《大トロ》を見つけたよ!」父親に声を掛けたのである。
父親は、
「どれどれ…」お姉ちゃんがいる場所に歩いて行った。
木嶋は、
「《本マグロ》と、《ミナミマグロ》か…どちらが、高級なのだろうか?」一人で悩んでいた。
父親は、
「《ミナミマグロ》と、《本マグロ》か…?《本マグロ》なら…青森県の大間で取れるがいいね!」木嶋に話していた。
木嶋は、
「へぇ~。青森県の大間で取れる《本マグロ》が有名なんだ。知らなかった。お姉ちゃん、《本マグロ》の産地はどこなのかな?」お姉ちゃんに尋ねていた。
お姉ちゃんは、
「《本マグロ》の産地ね!何処だろう?太平洋沖としか書いていないよ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「お父さん、《本マグロ》の産地は…太平洋沖としか書いていないみたいだよ。それが、イヤなら《ミナミマグロ》でもいいかな?」父親に聞いていた。
父親は、
「《本マグロ》は、太平洋沖か…。《ミナミマグロ》の産地は…?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「お姉ちゃん、《ミナミマグロ》は…どこなの?」お姉ちゃんに尋ねていた。
お姉ちゃんは、
「《ミナミマグロ》は、インド洋沖だよ。この際だから…《本マグロ》にしなさい。」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「お父さん、《ミナミマグロ》は、インド洋沖だから、《本マグロ》でいいよね?」父親に問いかけていた。
父親は、
「うん。《本マグロ》でお願いね。お母さんと、お姉ちゃんに悪いことをしたね!」お姉ちゃんに話していた。
お姉ちゃんは、
「《本マグロ》に決定ね!貴方も、同じでいいの?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「二人で、別々(べつべつ)の《マグロ》を食べても意味がないよ。お姉ちゃんは、お母さんと…食べたいものはないのかな?」お姉ちゃんに尋ねていた。
お姉ちゃんは、
「お母さんと、食べたいものは…蟹だね!」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「蟹…ね!どうも、自分は…好きになれないね。お父さんも、食べれるのでは…?」父親に問いかけていた。
父親は、
「蟹なら、食べられるよ!」木嶋に告げた。
木嶋は、
「お父さんは、贅沢な食材を食べるのね!」父親に伝えた。
父親は、
「普段は、食べられないよ。正月だからだよ。」木嶋に答えていた。
木嶋は、父親の答えに…思わず納得したのである。
お母さんは、
「お父さんの食べたいものは、決まったの?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「《本マグロ》と、《ミナミマグロ》。散々(さんざん)…悩んだ末の結論は、《本マグロ》になりました。」母親に伝えた。
母親は、
「どっちでもいいけどね!早く食べないと…傷んでしまうよ。」木嶋に告げた。
木嶋は、
「クーラーボックスに、たくさん氷を入れて、外に置いておくよ。」母親に話していた。
母親は、
「冷蔵庫に入ればいいけどね!」
「家に帰ってから悩むしかないね!」木嶋は、苦笑いをしていた。