第658話
木嶋は、父親を連れて鮮魚コーナーに向かった。
父親は、
「お母さんに交渉しよう。」もしかしたら、自分の好きな刺身が食べられる可能性があるので、表情が生き生きしていた。
木嶋と、父親は、鮮魚コーナーに到着。
「お母さんか?お姉ちゃんのどちらか…迎えに来てくれないと…!」段々(だんだん)と、興味が湧いてきた。
母親が、木嶋たちの元に歩いてきた。
「2人とも、来るのが遅いね!」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「お父さん、心臓が…煽るから、人から見たら、《歩くスピード》が遅いのは、仕方ないよ。」母親に答えていた。
母親は、
「それも、そうだけどね。お父さんは…?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「すぐそこの椅子に、座っているよ。」母親に伝えた。
母親は、お父さんの姿を見て…安心していた。
「お父さん、大丈夫なの?」父親に問いかけていた。
父親は、
「うん。大丈夫だよ。《デパート》に入る前に、喉が乾いたから、自動販売機で《ジュース》を買ってもらい、椅子に座って飲んでいたんだ。」母親に話していた。
母親は、
「ジュースならいいけど、お酒を飲んだら、大変なことになるからね!」木嶋に告げた。
木嶋は、父親が…酒を飲んだときのことを思い出していた。
「そうだね…主治医の院長先生に、止められているんだよね?」母親に聞いていた。
母親は、
「院長先生に、止められているんだよ。それは、お父さんも…理解をしていると思うよ!」父親に話していた。
父親は、
「たまには、酒を飲みたいよ!飲んだら、院長先生に…見放されてしまうよ!」母親に苦笑いをして、答えていた。
母親は、
「今…お姉ちゃんを連れて来るからね。」木嶋に伝え、お姉ちゃんを呼びに行った。
木嶋は、
「お母さんも、お父さんのことを心配しているね。一日でも、《長生き》しないと!」父親に話していた。
父親は、ただ…頷くだけであった。
母親が、お姉ちゃんを連れて…木嶋たちの元に戻ってきた。
お姉ちゃんは、
「お父さん、何か?食べたいものはあるの?」お父さんに尋ねていた。
お父さんは、
「マグロが食べたいね?」お姉ちゃんに、自分の意見を伝えた。
お姉ちゃんは、
「マグロね…《大トロ》、《中トロ》、《赤身》のどれがいいの?」父親に聞いていた。
父親は、
「出来れば…《本マグロ》の《大トロ》がいいね!」
「《本マグロ》か…見てみようか?お父さんも、鮮魚コーナーを一緒に見ようか?」父親に鮮魚コーナーを、一緒に回るように、促していた。
父親は、椅子から立ち上がり、木嶋と一緒に…お姉ちゃんのあとをついて行く。
木嶋は、
「もう…年末年始だから、《ブロック》で、《パッケージ》してあるね!」父親に伝えた。
父親は、
「そうだね。《本マグロ》は…あるかな?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「なかなか見当たらないね!」率直な意見を述べたのであった。