第655話
木嶋は、風呂場の壁に、洗剤を噴射して、デッキブラシで擦っていた。
「自分が、小学生の頃までは、どこの家でも、年末の大掃除は…やっていたよな!」
「最近は、近所の人たちも、自分と年代の近い人たちが、結婚や独立をして、高齢化になり、やらなくなってしまった。」
木嶋の父親は、風呂場の壁を、掃除するにしても、体力的に持つか?持たないか?である。
風呂場の壁を、一通り…やり終えた。
「これで、いいかな?」自画自賛していた。
木嶋は、
「風呂場の掃除は、終わったよ!」母親に答えていた。
母親は、
「風呂場の掃除が終わったなら、年末年始の買い物に出掛けようかね?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「お姉ちゃんは、予定があるのかな?」
すかさず…
「お姉ちゃん、これから…年末年始の買い物に出掛けるよ。」お姉ちゃんに話していた。
お姉ちゃんは、
「これから、買い物に行くの?じゃあ…私も、一緒に行こうかな?」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「お父さんも、連れて行こうよ!いつも、家にいるばかりでは…気が滅入ってしまうからね!」そう話しつつ…
「お父さん、これから、年末年始の買い物に出掛けるよ。一緒に行く?」父親に問いかけていた。
父親は、
「そうだね!一緒に行こうか。」布団から起き上がり、身支度をしていた。
木嶋は、
「車を持ってくるから、《ボクシングジム》の前にいて…!」母親に告げた。
母親は、
「《ボクシングジム》の前ね!何分ぐらいで来るの?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「およそ…10分ぐらいで、《ボクシングジム》の前に来るよ!お姉ちゃんにも、そう伝えて…!」母親に話したのだ。
母親は、
「お父さん、歩くのが遅いから…直ぐに家を出た方がいいね!」木嶋に答えていた。
木嶋は、
「その方がいいね!お姉ちゃんも、お父さんのことを頼んだよ!」お姉ちゃんに話し、家を出た。
木嶋の家から、駐車場までは…歩いて5分ぐらいの距離である。
車のドアを、《リモコンキー》で開けた。
「ピッ、ピッ…」音が聞こえた。
ドアを開け、《リモコンキー》を…いつもしまう場所に入れ、《エンジン》をかけた。
《ブルー、ブルー》と《エンジン》が、スタートした。
車を駐車場から出し、《ボクシングジム》に向かった。
父親も、母親も、お姉ちゃんも待っていた。
木嶋の家の前にある…《ボクシングジム》は、少し前まで…栄えていた。
最近は、どうなっているのか…分からない。
《ボクシングジム》の前に車を停めた。
父親も、母親も、お姉ちゃんも、車に乗り込んだ。
年末年始の買い物に行くところは、いつもと同じである。
木嶋の家から、車で…15分で着いた。
「車が、たくさんあるね!」驚いた様子で、母親に話したのだ。
母親は、
「お姉ちゃんと、先に行っているから…お父さんのことを頼んだよ!」木嶋に伝え、お姉ちゃんと一緒に…車から降りて、《デパート》の中に入って行った。
木嶋は、
「おとうさんも、食品売り場に連れて行くよ!」父親に声を掛けたのであった。