第654話
木嶋は、父親に、《一般紙》を渡したのだ。
家では、新聞を2部…購読している。
朝、起きるのが早い…父親は、《スポーツ新聞》を読んでいる。
木嶋が、布団から起きて、真っ先に読むのは、《スポーツ新聞》である。
悪い癖と思いながらも、ご飯を食べながら読んでしまう。
《スポーツ新聞》を読み終え、お姉ちゃんをお越しに行く。
「お姉ちゃん、時間だよ。」お姉ちゃんに声を掛けた。
お姉ちゃんは、
「もう、そんな時間なの?」木嶋に伝え、布団から出てきた。
母親は、
「随分、遅くまで寝ていたね!」お姉ちゃんに尋ねていた。
お姉ちゃんは、
「今、何時…午前8時を過ぎたところだね。起こされるまで…何時か?解らなかったよ。」母親に答えていた。
木嶋は、
「お姉ちゃん、自分は、年末年始…友だちの家で過ごすからね。」お姉ちゃんに話していた。
お姉ちゃんは、
「貴方が、年末年始を友だちの家で過ごすなんて…珍しいね!彼女の家か?父も、母も、理解をしているの?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「父も、母も、理解をしているよ。自分に、彼女なんか…いる訳ないでしょう。男友達だよ。」お姉ちゃんに答えていた。
お姉ちゃんは、
「男友達だけで、年末年始を過ごすの?《むさっくるしい》と、思うけど。彼女が出来たら、家族に紹介しないと、ダメだよ。お前は、騙されやすいからね。」木嶋に忠告をしていた。
確かに、お姉ちゃんが言う通りである。
木嶋は、誰にでも…《分け隔てなく》優しいのである。
その優しさが、時として、裏目に出てしまう。
良く考えると、思い当たる《フシ》が…たくさんあるのだ。
それは、はるかに言えるかも知れない。
毎回、待ち合わせ時間に遅れてくる…所謂、常習犯である。
木嶋が、何度…注意をしても、
【馬の耳に念仏】と言う諺があるが、正しく…そんな状況である。
その点、かれんさんは…約束の時間に来てくれるのである。
木嶋の心の中で、揺れ動いていた。
木嶋は、
「お姉ちゃんの言う通りだね。騙されないように、気をつけるよ。」お姉ちゃんに話したのだ。
お姉ちゃんは、
「それなら、よろしい。」頷いていた。
木嶋は、《スポーツ新聞》から《一般紙》を読んでいた。
「新聞も、読むところがないと、《面白く》ないな。」一人で、ボヤいていた。
母親は、
「今日は、どこかに出かけるのか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「今日は、どこも出かけないよ!何か?やることあるの?」母親に聞いていた。
母親は、
「風呂場の壁を洗って欲しいよ!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「分かりました。」母親に答え、風呂場に向かったのだ。