第650話
木嶋は、複雑な心境(しんきょうである。
なぜかと言うと…
はるかと、かれんさんが仲良くなることに依って、木嶋と会う時間が少なくなってしまうのではないかと、危惧していた。
「今は、そんなことを考えても、仕方がないかな?」頭の中で思案していた。
はるかが、
「木嶋さん、浮かない顔をして…どうしたのですか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「いや…何でもないよ。」明るく…はるかに、そう答えたのだ。
はるかは、
「木嶋さん、私と、かれんさんが、仲良くなるのを心配しているのではないですか?」木嶋の心の中を見透かしていた。
木嶋は、
「はるかさん、何で…解ったの?」はるかに問いかけていた。
はるかは、
「私と、木嶋さん…1年以上も一緒にいれば、考えていることは、理解出来ますよ!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「お見それいたしました。」はるかに答えたのだ。
はるかは、
「私も、学生時代の仲間以外は、女性と会う機会がありません。社会人になったら、なおさら…人との出会いも無くなりました。かれんさんと会うのが、楽しみなんです。」木嶋に、《アピール》していた。
木嶋は、
「そうだよね…学生時代は、友人、知人の紹介で、色んな人との出会いもあるよね。社会人になったら、その機会が、めっきり…減ったのは、自分も同じだよ!」そんな…はるかの心境を理解をしていた。
はるかは、
「木嶋さん、私のことを理解をして頂きありがとうございます。」木嶋に頭を下げていた。
木嶋は、
「はるかさん、かれんさんとの待ち合わせ場所は、お互いで決めて下さい。」はるかに伝えた。
はるかは、
「会うことになれば、そうします。」木嶋に告げた。
木嶋は、
「あと、よろしくね!」はるかに話したのであった。
はるかは、
「OKです。」木嶋に伝えたのである。
はるか、かれんさんとの会話を終え…3日が過ぎていた。
「あっ…そうだ。かれんさんに、年末年始のことで話さないといけないな!」木嶋は、迷っていた。
毎年…年末年始は、家族と過ごしているので、それを崩すとなると…自分自身の《リズム》が悪くなってしまう。
もし、自分が結婚をしていれば…お互いの家を、《行ったり来たり》しないといけないのである。
それを、考えると…今のままが良いと思う反面、はるかか、かれんさんが、自分と一緒にいてもらいたいと思うのが、現在の答えなのだ。
「これから、かれんさんに電話をしよう。」木嶋は、《リダイアル》から…かれんさんに発信した。
「プッ、プッ、プルー」呼び出し音が鳴っている。
「なかなか出ないね!」一人で呟いていた。
10コール…鳴らしたが、出る気配がなかった。
「近くに、いないのかな?」
「着信履歴を残しておけば、あとから…電話が掛かってくるはず。」木嶋は、そう思っていたのであった。