第648話
《ダイヤ情報》の画面を開いた。
「うわぁ~、色んな路線の情報があるな!今年は…全国的に、台風被害があった地域が多かった!被害があった地域の復旧に、時間が掛かるのは、仕方ないよな。それでも、《バス代行》があるにしても、かなりの大回りになってしまう。それを考えると、都会に住んでいて良かった面もあれば、両親の田舎もいいかも知れない。」
安堵な気持持ちになるも、肝心な東海道線の情報を見逃していた。
「あっ…東海道線の遅れ情報を確認しないと…」自分に苦笑いを浮かべていた。
「東海道線は、どうなっているのかな?」
再び…《ダイヤ情報》の画面を、【クリック】した。
「東海道線は、ほぼ平常通りの運転になっていますか…多少、電車を間引きしたかな?それでも、平常運転なら、時間が読めるし、いいかな!」納得していた。
東海道線のホームに向かった。
「間もなく、電車が到着いたします。危ないですから…黄色の線の内側に下がって、お待ち下さい。」構内アナウンスが流れていた。
木嶋は、すかさず…腕時計で、時間を確認した。
「今…午後9時を過ぎたばかりか…。あと、2分で到着か。京浜東北線で帰るよりは、待っていた方が、得策だな。」木嶋は、東海道線のホームで、電車を待つことにした。
すると…電車が到着した。
意外なほど…電車の中に、人が乗車していなかった。
「なんか…拍子抜けしちゃったな!」偽ざる正直な気持ちであった。
電車に乗り、空いている座席に座った。
「東海道線も、長椅子の車両が、ほとんどになってしまったな。寂しいな!」
「通勤で、乗客をたくさん乗せるには、これしかないよな!」木嶋は、一人で呟いていた。
「ピコパララン、ピコパララン、ピコパララン。」発車ベルが鳴り響いている。
「ドアが閉まります。ご注意下さい。」構内アナウンスが流れていた。
男性車掌さんが、
「ドアを閉めます。」車内アナウンスをしたと同時に、ドアが閉まった。
「ガタン、ゴトン」と音を起てながら、横浜駅を出た。
木嶋は、一人で…夕刊紙を広げた。
最寄り駅まで、10分ぐらいである。
【フー】と、息を吐いた。
「麻美さんには、色んな意味で、お世話になりながら、何も、《恩返し》が出来ていないのに、どうすればいいのかな?《ヒント》が見つからないな!」
「明日、富高さんの職場に行かないと…。」ボヤいていた。
電車が、木嶋の最寄り駅に到着した。
木嶋は、東海道線から降り、改札口に向かった。
改札口を出て、家までの距離を歩いて行く。
駅から、木嶋の家まで…歩いて、10分前後である。
「ウォーミングアップにしては、距離が短いかな?か疑問を抱いていた。