第638話
溝越さんは、
「木嶋にも、自分の店を経営していた女性と、《チャンス》がなかったのか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「どうなんですかね?自分から見たら…同じ年代の女性でしたから、話していても、話題に共通点がありました。ただ、残念だったのは、子どもがいたので、その時点で、《アウト》ですね。」溝越さんに答えていた。
溝越さんは、
「そうか…同じ年代なら、釣り合いが取れると思ったんだ。木嶋の言っていることも、理解が出来るよ。今の彼女を…大切にしないといけないぞ。案外、お似合いかもな!」木嶋に告げた。
木嶋は、
「溝越さんが言われるように、今の彼女より良いかと…一朝一旦あると思いますね。仮に、子どもがいなかったら、同じ年代の女性と、付き合いをしていたかも知れません。」木嶋は、溝越さんに伝えた。
溝越さんは、
「やっぱり子どもがいると、《ツラい》よな。好かれる…好かれないがあるから難しいよ。うん。木嶋の選択が間違っていないかも知れないぞ!」
続けて…
「今の彼女と、頑張れよ!」木嶋を激励したのであった。
木嶋は、
「ありがとうございます。頑張ります。」溝越さんに、お礼を述べたのである。
溝越さんは、木嶋の言葉を聞いて、安心したのか…その場から立ち去って行った。
木嶋は、
「やっぱり…そうなってしまうのかな?富高さんにも…そんな《ニュアンス》で話せばいいか!何だか…余計に、頭が混乱しそうだな。」難しく、考えてしまいそうである。
しかし…
「かれんさんは、麻美さんのことを、知っているのだろうか?今、話すべきなのか?どうしようかな?」
「はるかと、会う前に話せばいいのかな!」一人で呟きながら、納得していた。
残業時間を終え…急ぎ足で、《ロッカールーム》に向かった。
すると…背後から、木嶋の右肩を叩かれた。
「誰だろう?」ふと振り返ると、富高さんであった。
「木嶋君、元気。」富高さんが、木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「誰かと思ったよ。」富高さんに答えていた。
富高さんは、
「木嶋君が、自分の目の前を歩いていたので、声を掛けるより、その方がいいかなと思ったんだ。」木嶋に告げた。
木嶋は、
「富高さん、バスに乗るよね?」
「もちろん、バスに乗るよ。乗らないと、家に帰れないよ!」苦笑いをしていた。
木嶋は、
「富高さんに伝えないといけないことがあるので、早く着替えて、バスに乗りましょう?」富高さんを急かしていた。
富高さんは、
「うん、いいよ。木嶋君が、自分に伝えないといけないことは、何だろう?《ドキドキ》しちゃうよ。」木嶋に告げた。
木嶋は、
「いい話しか…どうかは、富高さんの受け取り方次第だね。」富高さんに意味深な発言をしていた。
富高さんは、
「何か…話しを聞くのが怖いね。聞きたくないな!」笑いながら答えていた。
木嶋も、笑うしかなかった。
富高さんは、
「木嶋君、着替え終わったから…バスに急ごうよ!」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「じゃあ…バスに乗りますか?」富高さんに促されて、歩き出したのであった。