第599話
かれんさんは、
「木嶋さん、香月さんと、やけに、親しそうに話していましたが、何の会話をしていたのですか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「香月さんと、会話をしていたのは、彼氏がいるの?と聞いていたんだ。」かれんさんに答えていた。
かれんさんは、
「香月さん、彼氏は…いるのですか?」
「彼氏は、いないと言っていたよ。本当か?どうかは、判らないよ。」木嶋は、かれんさんに告げた。
かれんさんは、
「私は、香月さんが、彼氏がいないなんて…信じられません。木嶋さんの前だから、そんなことを言っていたのではないですか?」半信半疑になりながら、
木嶋に伝えた。
木嶋は、
「どうなんだろうね?」疑問を抱きつつ、かれんさんに話したのであった。
かれんさんは、木嶋の右手を握り締めている。
「木嶋さん、私の家に帰りませんか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「どうして…?確かに、雪は…降り続いているよ。まだ、電車が止まると、ニュースで言っていないよ。どうしたの?」かれんさんに答えたのだ。
かれんさんは、
「私、急に、寒気がして来たのです。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「どれどれ…」かれんさんの額に、左手を当てた。
「自分と比べても、温かいよ。熱でもあるんじゃないの?家に戻ろうか?」決断をしたのである。
かれんさんは、
「木嶋さん、迷惑をかけて、ごめんなさい。」木嶋の右肩に持たれていた。
木嶋は、そっと…肩を寄せたのであった。
横浜市営地下鉄の改札口に到着。
「かれんさん、もう少しの辛抱だからね。」木嶋は、かれんさんに、優しく話しかけていた。
かれんさんは、
「ありがとうございます。」熱でうなされながらも、木嶋に答えていた。
木嶋は、
「三ツ沢上町まで、きっぷを買わないといけないな。」Gパンのポケットから財布を取り出した。
自動券売機で、きっぷを2枚購入した。
木嶋は、きっぷを…1枚、かれんさんに渡したのである。
かれんさんは、頷きながら…きっぷを持ったのである。
改札口を通り…ホームへ降りる階段で、一段ずつ降りて行く。
ホームに到着。
人は、まばらにいる。
木嶋は、
「こんな天気に、人は…出かけていたんだな!」妙に納得していた。
電車が到着。
木嶋は、かれんさんを支えながら、
「かれんさん、座席に座ろう!」席に座るように、促していた。
かれんさんは、
「うん。」返事をした。
木嶋も、かれんさんの隣りに座ったのである。
「今日…無理して横浜に出て行ったのかな?家に戻ったら、介抱しないと…」木嶋は、一人で呟いていた。
かれんさんは、寝ている。
そっと…髪を撫でていた。
「間もなく…三ツ沢上町~。三ツ沢上町です。」車内アナウンスが流れていた。
「かれんさん、もうすぐ…降りる駅だよ。」木嶋は、かれんさんに囁いた。
かれんさんは、
「はい。」と、起きたのである。
木嶋は、
「立てるかな?」かれんさんに聞いていた。
かれんさんは、
「立てますよ。」何とか…立ち上がった。
それでも、高熱のためか…足がフラついていた。