第594話
かれんさんは、
「店員さんが…そこまで、勧めるのでしたら、《ピンク》を試着して見ようかな?いいですか?」女性店員さんに伝えた。
女性店員さんは、
「どうぞ…試着して下さい。」かれんさんに答えたのだ。
かれんさんは、《ピンク》のワンピースを右手に持ち、試着ルームに入って行く。
女性店員さんは、試着ルームの前に立っている。
5分後…
かれんさんが、《ピンク》のワンピースを着て、試着ルームから出てきた。
「似合っていますかね?」女性店員さんに尋ねていた。
女性店員さんは、
「私が、《イメージ》していた通りで、サイズも、ぴったりですよ。」 かれんさんを持ち上げていた。
かれんさんは、
「ありがとうございます。」女性店員さんに、頭を下げていた。
試着ルームの鏡の前で、自分自身で、身体を、左右に振った。
「いい色で、気に入りそう。他の色のワンピースも、試着して見ようかな?」
右手を上げ、呼んでいた。
女性店員さんは、かれんさんが、右手を上げて、呼んでいることに、気がついた。
「お待たせしました。他の色のワンピースを、試着なされますか?」女性店員さんが、かれんさんに聞いていた。
かれんさんは、
「そうですね!《ベージュ》と《ブルー》を、持って来て頂けませんか?」女性店員さんに告げた。
女性店員さんは、
「畏まりました。」かれんさんに話し、その場を離れて行く。
地下の食品フロアにいる木嶋は…
「何か…退屈だな!」一人で呟いていた。
木嶋は、一人で買い物をするのが、苦手である。
はるかと、一緒に…過ごしている時間が多いので、身体が…待ち疲れが出てきていた。
「どこかに、座るところがないかな?」周りを見渡していた。
横浜高島屋に、座るイスがあったか?どうか?…記憶が曖昧(あいまい
)になっている。
「確か…この辺りに、座るイスがあったはず…」記憶を頼りに、探していた。
その記憶通りに、イスがあったのだ。
内心…ホッとした表情で、顔色を変えずにイスに座ったのだ。
この時期は、年輩の人たちが、多い。
これから、年末年始の挨拶に出掛ける人。
家に一人でいる人もいるのである。
木嶋は、
「みんな…たくさん買い込んでいるな!」半ば…諦(あきらめ のようにも、思えていた。
昨日からの疲れが出ているのか…居眠りをしてしまった。
かれんさんは、
「木嶋さん、大丈夫かな?」木嶋のことが、心配であった。
「電話を掛けて見ようかな?」どうするか…決めかねていた。
「えい…電話を掛けて見よう?」
思いきって…携帯を取りだし、木嶋の携帯番号を、スクロールした。
「プッ、プッ、プルー」呼び出しが鳴っている。
30秒…呼び出し音が鳴り響くも、木嶋が、電話に出る気配がなかった。
かれんさんは、
「木嶋さん、電話に出ないなんて、どうしちゃったんだろう?」不安な気持ちになっている。
木嶋は、携帯が鳴ったことに気がついていなかった。
30分後…
木嶋は、携帯を、Gパンのポケットから取り出した。
着信履歴から、」かれんさんに、電話をしたのであった。