第584話
木嶋は、
「かれんさん、30分経ったら…起こして下さい。」かれんさんにお願いをしたのである。
かれんさんは、
「30分後ですね。了解しました。」木嶋に、右手で敬礼で応えたのであった。
木嶋は…どこでも寝る習慣を持っている。
毎朝の通勤時間、横浜から会社の最寄り駅までの電車で、寝るのが日課になっている。
一日でも、《タイミング》が【ズレて】しまうと、調子が狂ってしまうのである。
木嶋は、笑みを浮かべながら…夢を見ていた。
【どんな夢心地なのだろう?】
木嶋は、ボヤけながらも、かれんさんと…一緒に暮らしているところを見ていた。
「かれんさん、大事にするからね。」寝言を言っていた。
かれんさんは、
「木嶋さん…ありがとうございます。」木嶋に言葉を返していた。
30分が経過した。
「木嶋さん…時間ですよ!」かれんさんが、木嶋に声を掛けた。
木嶋は、
「もう…そんな時間なの?」かれんさんに問いかけつつも…
「何か?寝言を言っていなかったかな?」聞いていた。
かれんさんは、
「寝言を言っていましたよ。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「何て…言っていたのだろう?」かれんさんに尋ねていた。
かれんさんは、
「言っても、平気ですか?」木嶋に同意を求めていた。
木嶋は、
「正直に言っていいよ。」かれんさんに、本当のことを話すように促したのである。
かれんさんは、頬を紅潮させながらも…
「大事にするよ!と、話していましたよ。これは、木嶋さんの本心ですよね?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「好きな女性を大切にするのは、当たり前だと思っています。」かれんさんに伝えた。
かれんさんは、
「それを信じていいのですね!」
「うん。信じていいよ!」木嶋は、かれんさんに告げたのである。
かれんさんは、涙を流していた。
それを見た木嶋は…
「何も泣かなくてもいいのに…」かれんさんの髪を撫でていた。
「だって…大切にしてくれるなら、最大限…私に出来ることを、木嶋さんにしていきたいと思っています。」かれんさんは、木嶋に話していた。
木嶋は、
「かれんさん、ありがとうございます。自分も…同じ気持ちだよ!」かれんさんに答えたのである。
かれんさんは、
「まだ、一日…木嶋さんと一緒に過ごす時間があるのですよね?いつまでも、こうしていたいです。」木嶋に話していた。
木嶋は、
「焦ることは…ないよ。大晦日から年明けも、一緒に過ごしてもいいよ。」かれんさんに告げたのである。
かれんさんは、
「私も、そう考えていたのです。木嶋さんのご家族に会わせて頂けませんか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「家族に話してから、かれんさんに回答します。」かれんさんに答えたのであった。