第579話
かれんさんは、
「木嶋さん、私の家の近くに…コンビニがあるので、飲み物などを買って行きませんか?」木嶋に問いかけていた。
木嶋は、
「そうだね。コンビニで何か買って行こうと思っていたんだ。ビールは、いらないよね!お菓子など…二人でつまめる物がいいね。」かれんさんに答えたのだ。
明かりが見えてきた。
もうすぐ地上出口である。
階段を上りきった。
木嶋は、
「三ツ沢上町に初めて上陸。見る景色は、何もかも新鮮だね!」かれんさんに告げた。
かれんさんは、
「ありがとうございます。」木嶋に頭を下げたのであった。
商店街が開けていた。
木嶋の家の近所にも、商店街があるが、一時期は、賑わっていた。
しかし、どのお店も、店主が高齢のため、後継者不足に悩まされ、泣く泣く閉店に追い込まれてしまったところも、数多くある。
閉店された店は、別名…シャッター通りとも言われている。
木嶋は、
「商店街に活気があっていいね!羨ましいよ。」かれんさんに話していた。
かれんさんは、
「そうですね!大型スーパーが進出するには、場所がないのです。何かあれば、横浜まで近いので、買い物に出掛けますよ。また、電車で移動した方が楽ですよ。木嶋さんの地元には、商店街はないのですか?」木嶋に聞いていた。
木嶋は、
「商店街がありますが、病院ばかりだよ。横浜まで、車で移動すると、駐車場代が掛かる。電車で移動した方が、料金が安いよね!」かれんさんに答えたのだ。
かれんさんは、
「商店街の中に、コンビニがありますよ。」木嶋を引っ張っていた。
コンビニの中に入った。
コンビニも競争が激しい。
自分の店舗が安泰だと、安心していると、ライバル店舗に逆転を許してしまう。
それは、どの業界も同じである。
はるか、かれんさん、麻美、玲が働いている…夜の仕事も同じである。
世の中は、不景気の真っ只中である。
その状況で、麻美は…自分の店を出したのである。
かれんさんが、麻美の店でアルバイトをしているのも、たまたま…携帯サイトの求人広告である。
木嶋は、麻美の店で…富高さんと定期的に顔を出していたのである。
かれんさんは、
「木嶋さん、何を買いますか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「かれんさんの好きな物でいいよ。」かれんさんに対する思いやりの言葉である。
かれんさんは、
「じゃあ…これを買いますね!」
手に取った物は、ケーキである。
木嶋は、
「そうだよね!ケーキを食べないと、全てが始まらないよね!」かれんさんに聞いていた。
かれんさんは、
「そうですよ。あとは、ワイングラスがあるので、《シャンパン》ですね!」
「それで全てが揃うね!」かれんさんに話したのであった。