第565話
木嶋は、女性店員さんが取り出した…【Gshock】を、右手に取って見ていた。
「随分…デザインがいいですよね!」女性店員さんに告げた。
女性店員さんは、
「お客さまが、左腕にしている【Gshock】と比べて、1(わん)ランク下の商品になります。」木嶋に話していた。
木嶋は、
「エッ…」と驚いた様子で…
「1ランク下の商品と言うのは、どういうことですか?教えて戴けませんか?」女性店員さんに尋ねた。
女性店員さんは、
「失礼しました。説明不足で申し訳ありません。1ランク下の商品と言いますのは、【Baby-G】と言う《ブランド》になります。」木嶋に伝えた。
木嶋は、 「へぇ~、【Gshock】にも、【Baby-G】なんて《モデル》があるのを初めて聞きました。いつ頃からあるのですか?」女性店員さんに問いかけていた。
女性店員さんは、
「この商品は、つい最近出たばかりで、若い女性に人気沸騰していますよ。お客さまの彼女さんは、おいくつですか?」木嶋に尋ねていた。
木嶋は、
「彼女の年齢ですか?21歳です。」女性店員さんに答えたのだ。
女性店員さんは、
「21歳ですか?私と同じ年齢ですね!それでしたら…尚更、この商品が、お似合いだと思いますよ!」猛烈に、木嶋へ《アピール》していた。
頭の中では…
かれんさんが、【Baby-G】の腕時計をしている姿を想像していた。
木嶋は、何事に於いても…《イメージ》することが大切である。
それを、身に着けたとき…
【似合っているか?いないか?】は、重要な問題であると考えていた。
誰でも…
【X'masプレゼント】を貰って…戸惑う人はいない。
ただ、はるかの場合は…木嶋が、出費出来る金額を、事前に提示している。
今回は、【X'masプレゼント】を渡すのは、《サプライズ》であり、かれんさんに、気づかれないように、煙幕を張っている。
人から見れば…
「何も、意地悪しないで、はるかと同じことをすればいいのに…」と言う意見もある反面…
「夜の仕事をしている人に、そこまですることはない。」と話す人もいる。
人間…100人いれば…100の考え方や、性格もある。
木嶋は、耳を貸さなかったのである。
「先ほど、自分が選んでいた商品は、【Gshock】ですよね?」木嶋は、女性店員さんに聞いていた。
女性店員さんは、
「先ほど…お客さまが、お選びになられたのは、紛れもない【Gshock】です。」木嶋に伝えた。
木嶋は、
「一度、【Baby-G】と比較したいので、出して戴いていいですかね?」女性店員さんに話していた。
女性店員さんは、木嶋が、最初に見ていた商品を、ショーケースから取り出した。
木嶋は、自分が選んだものと…女性店員さんが選んだものと、見つめていた。
確かに、両方を比べると…《サイズ》か違うことが、一目瞭然で、分かったのであった。