第56話
木嶋は、はるかから電話があってから10分ぐらい経過していた。
木嶋もイラつき始めていた。
「それにしても遅いな!何をしているのだろう…。」携帯を左手に持ち、右手を頬に当てながら、
「電話をしようかな?」と考えていた。
コーヒーショップ『Y』の階段を
「カッ、カッ、カッ」靴の音が聞こえてきた。
木嶋が振り返ると、はるかが、右手に紙バックを抱えていた。
はるかは、周りを見渡し、木嶋の後ろ姿を見つけたのだ。
「お待たせしました。遅れて申し訳ないです。」木嶋に頭を下げ、座席に座ったのだった。
木嶋は、
「本当に、待ちくたびれましたよ。」はるかに伝えたのだ。
はるかは、
「本当に申し訳ないです。木嶋さんが、私に、ショッピングタイムを作って頂いたので、久しぶりに、色んなショップに行って来たり出来ました。今の私には、貴重な時間でしたよ!」木嶋に話したのだ。
木嶋は、
「はるかさんに、そう言って頂けると嬉しいね。色んなショップに出入りすると、欲しい物が、いっぱい出てくるのではないですか?」はるかに尋ねていた。
はるかは、
「そうですね。ショップに出入りすると、欲しい商品が、たくさん有りすぎて整理するのに大変ですよ〜。」にこやかな表情で話していた。
木嶋は、
「はるかさんは、若いので一番、最初に見に行くとしたら、やはりブランドショップに行くのかな?」はるかに問い掛けていた。
はるかは、
「ブランドショップを先に見てしまいます。私が、欲しいブランドは、一つだけではないですよ!」木嶋に話したのだ。
木嶋は、驚いたように… 「一つだけではないのですか?」はるかに聞いていた。
はるかは、
「女性は、一つのブランドより、二つ、三つとあるのですよ。」木嶋を牽制していた。
木嶋は、去年の『LOUIS VUITTON』のバックを、はるかの誕生日プレゼントに渡したのだ。
今年の誕生日プレゼントのブランド予測をしていたが、『LOUIS VUITTON』だと考えていたので、
【何のブランドだろう。】予測が出来ずに混乱をしていたのだった。
木嶋は、
「今年の、誕生日プレゼントは何がいいのかな?」はるかに、恐る恐る聞いたのだ。
すると…はるかから意外なブランドの名前が挙がったのだ。
そのブランドは…
『HERMESで欲しい商品があるのです。』
木嶋は、
「HERMES?」はるかに尋ねた。
「そうです…。HERMESです。」はるかは、木嶋に話したのだった。
木嶋は、
「HERMESって…自分の感覚だと、金額が高いイメージしかないんだよね。」はるかに伝えたのだ。
はるかは、
「HERMESは、高級ブランドですから、木嶋さんから見ると高いと感じると思います。全部が、高い商品ばかりではないのです。」
「そうなの?安い商品あるの?」木嶋は、はるかに聞いたのだ。
はるかは、
「安いのはあります。先日、木嶋さんが金額を提示して戴いたので、それに、見合った商品を探してしますよ。」
木嶋は、
「ゴメンね。はるかさんに迷惑をかけているみたいで…申し訳ない。」はるかに頭を下げた。
はるかは、
「木嶋さんから、誕生日プレゼントを頂けるのが私は、嬉しいのですよ。人によって考え方が違いますが、自分が、長く使える商品でないと…。男性の目線で買って、それをプレゼントをされても、その人の価値観を押し付けられるのがイヤなのです。また、欲しくない物を貰うよりは良いですよ!」木嶋に伝えたのだった。
木嶋は、
「前に、はるかさんに話したと思いますが…自分は、何をプレゼントしたらいいか解らないので、はるかさんに、金額提示して探した方が良いかなと思います!自分の考え方は、間違っているのかな?」はるかに聞いたのだった。
はるかは、
「私は、木嶋さんの考え方が最適だと思いますよ〜」木嶋に笑顔で話したのだった。
木嶋は、嬉しそうに、
「ありがとう。」はるかに伝えたのだ。
はるかは、
「木嶋さんと一緒に話しをしていると楽しいですよ!」
「照れるじゃないですか!」木嶋は、はるかに話しながら二人で
「ハハハ」笑っていたのだった。
木嶋は、
《このまま、はるかさんと、長続きすればいいな!》心の中で話していたのだった!